第二章
[8]前話
「歯に悪いだろ」
「虫歯になりますね」
「犬にお菓子なんてやったらな」
それこそというのだ。
「歯を磨かないからな」
「虫歯になりますね」
「虫歯になんてなったら」
「大変ですからね」
「痛いし身体全体の健康にもよくないんだ」
それが虫歯というものだ、ただ歯が痛むだけでなく集中力が落ちたりあまり噛めなくなり消化にも影響を及ぼしたりするのだ。
「だからな」
「お菓子も駄目ですね」
「ドッグフードだと歯垢を取る要素も入ってるからな」
「歯にもいいですね」
「そうだ、だからな」
「人のあげるものはですね」
「食わせないことだ」
「それでふわりちゃんにもですね」
「そうしているんだ」
こう青年に話した。
「家に迎えた時からな」
「ずっとですか」
「犬の食うもの食わせてな」
そして飲むものもというのだ。
「そうしてるんだ」
「だから余計に健康ですね」
「犬を家族にするならその健康もちゃんと考えないとな」
ただ飼うだけでなくというのだ。
「そうしないと駄目だからな」
「人が食べるものはあげないですね」
「そうだよ、それはあんたのとこも同じだろ」
「はい、それは」
「ワンワン」
「ワンワン」
自分の家の犬、今はふわりと楽しそうに遊んでいるのを見て話した。実はこの柴犬は雌で同じ性別ということもありふわりとはすぐに打ち解けて友達同士になっているのだ。
その愛犬を見つつだ、青年は文太に話した。
「うちのマリコも」
「そうだな」
「ちゃんとドッグフード食べさせて」
「人の飲んだり食うものはだな」
「やってないです」
「それでいいんだ、じゃあこれからもな」
文太は自分に話してくれた青年にあらためて話した。
「飲ませて食わせるもののこともな」
「頭に入れてですね」
「家族として一緒にいような」
「そうですよね」
笑顔で応えてそうしてだった。
青年は文太の言葉に頷いた、そのうえでここは別れ散歩を再会した。ふわりもマリコというその柴犬もとても元気よく再び歩きはじめた。
人の食べるものはあげない 完
2022・6・24
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