第一章
[2]次話
人の食べるものはあげない
洋介は朝早く起きて仕事に行く前に自分の目を覚まして軽い運動もかねてふわりの散歩をした、その時にだった。
自分の様に愛犬を連れて散歩をしている近所の人と会ったが。
その人は大学生位の青年で茶色と白の柴犬を連れているが。
前から来たふわりを見てこう言った。
「ころころしていますね」
「そう見えるだろ」
「はい、いい感じで」
「そうだろ、いつもな」
「いつもですか」
「腹一杯食ってもらってるからな」
文太は青年に笑顔で話した。
「だからな」
「ころころしているんですね」
「毛を短くしてもな」
トイプードルは毛が長くふかふかしている、その為実際の体格よりもふっくらとして見えるものであるのだ。それを考慮しての言葉だ。
「肉付きがいいんだ」
「そうなんですね」
「けれど毎日散歩させてな」
文太は運動の話もした。
「遊んだりドッグレース場にも連れて行って
「身体を動かさせているので」
「脂肪自体はそんなにだよ」
「太っていないですか」
「ああ、筋肉が結構な」
「あるんですね」
「トイプードルってそうした種類だしな」
だからだというのだ。
「ふわりだってそうだよ」
「そうですか」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「ドッグフードを食べさせてな」
文太は青年にこうも話した。
「ミルクもあげておやつもだけれどな」
「栄養は満点ですね」
「白いご飯とかはな」
「ああ、人間が食べるものはですか」
「やってないんだよ」
「そうされてますか」
「一切な」
このことははっきりと話した。
「そうしてるんだよ」
「人間の食べるものはあげないことですよね」
青年も言った。
「犬には合わないので」
「刺激の強いもの駄目だしな」
「熱いものも苦手でしたね」
「猫舌って言うけれどな」
俗に熱いものが苦手な者について言う言葉だ、猫がそうであることから言われているが実は犬もそうであるのだ。
「犬もでな」
「そうしたものも駄目ですね」
「葱は特にな」
「ええ、悪かったですね」
「酒なんてもっての他だ」
これは絶対に駄目だというのだ。
「ちょっとでな」
「命に関わるんですよね」
「だからな」
その為にというのだ。
「料理に入れることもあるだろ」
「はい、何かと」
「だから余計にな」
「人の食べるものはですね」
「食べさせないことだ、甘いものだってな」
これもというのだ。
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