霊峰編 決戦巨龍大渓谷リュドラキア 其の八
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「ロエーチェ達の砲撃が止まり掛けている……!? 一体、弾薬庫までの通路で何が起きてるんだ……!?」
アーギル達の救援に向かったエレオノール達が、通路を妨害していたドスイーオスの討伐に挑んでいた頃。
ラオシャンロンの進路上にある別の城塞で迎撃に当たっている他のハンター達は、老山龍に撃ち込む次弾の装填を完了させていた。再び無数の砲台が激しく火を噴き、老山龍の全身に炸裂して行く。
「よぉし……決まったわッ! 老山龍め、ざまぁ見なさいッ!」
堅牢なラオシャンロンの外殻にも、ようやく目に見える傷が残り始めていた。その頭部に聳え立っていた一角がついにへし折れた光景に、確かな手応えを得たハンター達は力強く拳を震わせている。
「……!? ねぇッ、ちょっと様子が変よ!? 動きが鈍るどころか……ますます速くなってるッ!?」
――だが、これしきで侵攻を諦めるような老山龍ではない。彼の巨龍は象徴的な一角を失いながらも、そのまま低くくぐもった咆哮と共に、進撃し続けていた。
「……! おい、次弾装填急げッ! 突っ込んで来るぞッ!」
「アカン、ホンマにマズいッ! 最悪全滅やッ!」
「だ、ダメだ! 迎撃はもう間に合わないッ! 皆、退避だ! 逃げろォオーッ!」
さらに。ラオシャンロンの移動速度は、追い詰められたことによってさらに増していたのである。無数の砲台を並べていた木製の城塞は、その勢いのまま突き破られ、瞬く間に瓦解してしまうのだった。
「ぐわぁあぁああーッ!」
そこに設置されていた大砲で迎撃を試みていたハンター達は、1人残らずその突撃に巻き込まれ、城塞もろとも吹き飛ばされていた。さらに彼らの頭上に、大量の残骸が降り掛かって来たのである。
「がぁあぁァッ……!」
砦もろとも老山龍に撥ね飛ばされてしまった彼らに、その残骸を回避する術はなかった。狩人達は為す術もなく、降り注ぐ木製の残骸に飲み込まれ、生き埋めにされてしまう。
そんな惨劇を尻目に、ラオシャンロンはただ真っ直ぐに「最後の砦」となる城門を目指していた。
そこを突破されたら、もう取り返しは付かない。その向こうにある人里は老山龍によって、跡形もなく踏み潰されてしまうことになる。
「この、ままで……終われるかァアッ!」
そんなことは、決して許さない。自分達は、そのためにハンターになったのだから。
狩人達はその信念を糧に常人ならざる馬鹿力を発揮して、自分達を生き埋めにしていた木製の残骸を、自力で跳ね除けている。
大砲の中に残っていた砲弾の暴発による爆炎。老山龍の体当たり。残骸の直撃。その全てを受けてしまった彼らの防具はすでに崩壊寸前であり、ハンター達自身も血だるまとなっていた。
だが、どれほど頭部から鮮血を滴ら
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