霊峰編 決戦巨龍大渓谷リュドラキア 其の六
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
の装備に見合う活躍をして来たのだと、一目で分かる妙技だッ!」
ラギアシリーズの防具を纏い、蒼剣ガノトトスを振るう蒼き戦乙女――エレオノール・アネッテ・ハーグルンド。ガレリアスと共にエクサ達の援護に動いていた彼女は、その巨大な刃でイーオス達を瞬く間に斬り伏せていた。
腰まで伸びている銀色の長髪と、豊満な爆乳を防具に隠している彼女は。180cmにも及ぶ長身と、その体格に見合う膂力を込めて――蒼剣ガノトトスを振るっている。
(クリスティアーネお嬢様に追い付くためにも、仲間達のためにも……私は、この戦いでさらに成長して見せるッ!)
「伝説世代」の一角にして、フラヒヤ山脈の大貴族でもあるクリスティアーネ・ゼークト。その生家に仕える彼女は、クリスティアーネを補佐するべくハンターを志した生粋の忠臣なのだ。
年齢の差や訓練所で過ごした期間などの違いもあり、今はクリスティアーネに大きな差をつけられている彼女だが。経験と実力の大差に苦悩しながらも、仲間達との絆を頼りに精進を続けている。
(……やはり強いな、ガレリアスは)
特に、己の腕一つでディアブロスを狩猟して今の装備を作り上げたガレリアスに対しては、深く想うところがあるのか。彼女は時折、ガンランスを振るう彼の横顔を切なげに見遣っていた。
武器の素材となったガノトトス亜種と防具の素材となったラギアクルスは、双方の縄張り争いに巻き込まれた近隣の港町から依頼された際に狩猟したものなのだ。同時狩猟という偉業には違いないが、それは「漁夫の利」でもあると彼女は見ていた。
――自分はまだ、この装備に見合うハンターにはなれていない。クリスティアーネ様の背中には、程遠い。
そんな劣等感を抱えながら戦って来た彼女にとって、「この装備は自分の力で築き上げたのだ」という自負と自信に溢れたガレリアスの姿には、1人の女性として惹かれざるを得なかったのである。
「エレオノール! 炸薬を使い果たした今の私には、盾役しか務まらん! ……『剣』の役は、頼んだぞ!」
「……あぁ、任せておけガレリアス! エレオノール・アネッテ・ハーグルンド、推して参るッ!」
だが、今はまだ「そんな時」ではない。この大剣と防具を身に付けている自分を、胸を張って誇れる日が来るまで、想いを告げるわけにはいかない。
だから今は、せめて。その隣で、彼の力となりたい。そうすればきっと、クリスティアーネお嬢様の背中にも近付いて行ける。その想いの炎を人知れず豊満な胸に宿して、エレオノールは大剣を振りかぶっていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ