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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
霊峰編 決戦巨龍大渓谷リュドラキア 其の四
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 個体によっては飛竜種のイャンクックすら凌ぐ体格の持ち主もいるドスイーオスは、鳥竜種としては破格の戦闘力を有している。
 この個体も「金冠」ほどの体躯ではないものの、その身体で通路を完全に塞いでしまっていた。

「ただでさえラオシャンロンだけでも大変だってのに……!」
「イーオスの大群に加えて、金冠手前のドスイーオスだなんて……! 一体、このリュドラキアで何が起きてるんですかっ!?」

 従来の記録を超える速度で移動しているラオシャンロンだけでも相当な脅威だと言うのに、前例のないドスイーオスまで現れている。それほどの「異変」が起こるほどの「何か」が始まっていることは、火を見るよりも明らかであった。

「くそッ……しょうがねぇ! リリア、武器を取れ! こうなったら俺達で片付けるしかねぇぞッ!」
「はっ……はいっ!」

 だが今はその謎を解き明かす前に、眼前のモンスターを討伐せねばならない。通路の先にある砲台を目指していたアーギルとリリアは、ドスイーオスが率いる鳥竜種の群れに対抗するべく、やむなく砲弾を手放そうとしていた。

「……その必要はありませんよ〜、アーギルさん。リリアさん」
「……!?」

 すると、その寸前。イーオスの群れの背後から奇襲を仕掛けてきた他のハンター達が、怒涛の勢いで小型モンスターを叩き斬ってしまう。
 異常事態を察した彼らが、それぞれの持ち場から駆け付けて来たのだ。イーオスを斬り倒しながら、真っ先にアーギルとリリアの前に現れた2人の太刀使いは、その長い刃を鮮血に染めている。

「……私も微力ながら、お手伝いさせて頂きますね〜。ふふふ〜っ……」
「フィレットさん……来てくれたんですねっ!」

 「伝説世代」と呼ばれるハンターの一角である、ミナシノ・ヤクモ。そんな彼女を師に持つ太刀使い――ミツネシリーズ一式を纏うフィレットは、のんびりとした佇まいで微笑を浮かべている。
? 常に閉じられた瞳や下がり気味の目尻からは、闘志というものがまるで感じられないが――その佇まいとは裏腹に、先ほどイーオスを屠って見せた剣技は、鋭く冴え渡っていた。青緑色のロングヘアを纏めたポニーテールが、狐刀カカルクモナキIIによる斬撃の弾みで艶やかに揺れている。

「こいつらを先に処理してしまわないことには、老山龍にも集中出来ませんからねっ! 私達でサクッとやっつけて、早く持ち場に戻るとしましょうっ! 私のみじん切りで!」
「それを言うなら気刃斬りだろうが……全く。お前は上位昇格前でも変わらねぇなぁ、カヅキ」
「えへへ、それほどでも!」
「褒めてるんじゃねぇんだよッ!」

 アオアシラのライバルを自称する、マイペースで甘い物好きな太刀使い――カヅキ・バビロン。黒髪のロングヘアをポニーテールに束ねている彼女は、アシ
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