第一章
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お風呂場は地獄
その温泉では混浴があり旅館で若い男達がそのことで騒いでいた。
「混浴の湯行かないとな」
「ああ、その為にここまで来たしな」
「絶対に行かないとな」
「それで女の子の裸見ような」
「全裸のな」
「それでそこから親密になって」
「裸と裸のお付き合いしたいな」
こう話していた、そして。
彼等は日本のかつての歴史の話それもしたのだった。
「何でも昔は混浴普通だったらしいな」
「ああ、日本じゃな」
「江戸時代でもそうでな」
「もう男女湯舟の中でな」
「くんずほぐれずが普通だったらしいな」
「そこでの不倫なんて普通で」
「男女共だったってな」
「いい国だったんだな日本」
若者達はそこに桃源郷さえ見ていた、目が完全にそうなっていた。
「何て素晴らしい国だったんだ」
「その素晴らしい名残が今ここに残ってるんだな」
「それじゃあな」
「俺達も楽しもうな」
「くんずほぐれずがなくても女の子の裸が見られるんだ」
「女の人のフルヌードが」
「行かずしてどうする」
こんなことを話していた、だが。
その話を旅館のロビーで意気込んで話している彼等にだ、浴衣姿の白いスポーツ刈りの皺だらけの面長の顔の中背の老人がぽつりと言った。
「止めておきな、混浴は」
「おいおい爺さんそれはないぜ」
「混浴なんて浪漫だろ」
「行かないとどうするんだよ」
「行って裸見ないと駄目だろ」
「そうだよ」
「おめえさん達起ってるぜ」
老人は自分に言う若者達の前を見て告げた。
「収めな、混浴に入ってもクールでいるのが粋ってもんさ」
「いや、こうなるだろ」
「普通にな」
「混浴かって思うとな」
「それだけな」
「それで入って急に萎んだら恰好悪いことこの上ねえってもんさ」
達観した声であった。
「それは出してからにしな」
「いや、ずっと元気に決まってるだろ」
「美人さん一杯いるんだぜ」
「そうならない筈ないだろ」
「何で入って急に萎むんだよ」
「おめえさん達風呂に入るのは誰でもだってわかってるかい?」
老人は若者達にこの現実を指摘した。
「それは」
「どういうことだよ」
「誰もだって」
「どういう意味だよ」
「男も女も誰でも入るんだ、女って言っても老若あるだろ」
こう言うのだった。
「子供や婆さんもいるだろ、太ったおばさんだってな」
「げっ、そうだった」
「俺流石に幼女は無理だぞ」
「というか幼女に手出したら犯罪だろ」
若者達は皆常識人なのでこう言った、異性に興味があってもそれは備えているのだ。
「ベリヤかよ」
「そんな外道になってたまるか」
「幼女は駄目だ」
「大人の女性だ」
「しかしな」
彼等は老人の言葉にさ
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