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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
歌う人
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が、ファンの方々からすると『可愛いから許しちゃう?』と言う事であり、異様に上手いリュカと比べるのは酷な事であるのだ!

しかし熱烈なファンにしてみれば、憤慨するのに十分な状況であり、一斉に彼女等の元へと集まってきた!
「ちょっと!私達の『カノーツ&エイカー』ちゃんが、美形じゃないってどういう事よ!」
これまた美形とは程遠いファンの一人が、更に遠退く様な顔つきでマリーに詰め寄り脅し出す。
「美形じゃないわよ!この人の方が遙かに美形だし、歌だって超上手いのよ!」
そう言って『ドルイド』の親戚の様な顔の女性に、リュカを付き出して勝ち誇った様に言い放つ!

「くっ………た、確かに良い男だけど…う、歌は聴いてみないと分からないじゃないのよ!言うだけなら何とでも言えるわ!歌ってみなさいよ!」
「望む所よ!リュカ、アナタの歌声を披露してあげてよ!私、貴方の歌を聴きたいの?」
自分の夫を自慢したいビアンカは、リュカに擦り寄り可愛くお願いする。

当初は戸惑っていたリュカも、ビアンカのお願いである事と、元来のノリの良さでステージに上がる事に…
身内以外からは強烈に睨まれながらも、リュカは意に返さずピアノの前の椅子に座り、ピアノを弾き始めた!
妻も驚くその行動…つまり弾き語りである!
流暢なピアノのメロディーと共にリュカが歌うは『瞳を閉じて』…
ピアノの甘い音色と、切ない歌詞…
リュカの絶世とも言える容姿に、そして喩えようのない歌唱力。

そして気付けば、先程まで敵意丸出しだった女性方が、皆一様に聞き惚れてるではありませんか!?
リュカは歌い終わり立ち上がる…と、会場内からアンコールの声が響き渡る。
最初は流石に遠慮しようとしたのだが、うっとりする妻の表情が目に入り、またピアノに向かい直した。
そして次の曲目は『どんなときも。』…更には『少年時代』と歌い上げ、ステージを後にする。

ステージを下りたリュカは、先程までは『カノーツ&エイカー』のファンだった女性達に囲まれ、揉みくちゃにされている。
一人としてリュカの好みの女性が居ない為、心底困っていると妻が人垣を掻き分け近付き、熱烈な口吻を披露する。
「流石、私の旦那様!最高のステージだったわよ!」
何の事はない、自分の夫であると自慢したかった様だ。

皆の元に戻ってきた父にマリーが…
「ピアノを弾けたの?…何でもアリなのね…か、格好いい…」
リュリュやリューナがリュカを見る時と同じ瞳で見つめてる。
それを目の当たりにしたウルフは、リュカに対し、

「ズルイよリュカさんは!美人の奥さんに愛人も何人か居るのだから、マリーの心まで持って行くのは止めてよ!」
と、嫉妬心を露わにした。
それを見て苦笑するリュカ…

ティミーなどは不安になりチラリとアルルを見ている
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