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展覧会の絵
第五話 愛の寓意その七
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「講師の先生が教えるの上手ね」
「そうした先生ばかり雇ってるんだろうね」
「そうだよ。塾の先生はそれが仕事だからね」
「仕事ね。だからなのね」
「公立の先生だと何か変な先生もいるみたいだけれどね」
 残念ながらその通りである。日教組等が妙な縁故採用を通してだ。人格的に異常がある人物や無能な人物が教師になってしまうのである。
 猛はそうした事実をまだ知らない。だがそれでもだった。
 彼もそのことについてだ。少しだけ聞いていてそれで言ったのである。
「この塾は違うよ」
「違うのね」
「そう。副理事長さんが直接面接して決めてるんだよ」
「採用をなの」
「そう。副理事長さんは凄くしっかりした人だから」
 それでだというのだ。
「講師の人達もしっかりした人達ばかりなんだ」
「副理事長さんが面接されてるの」
「試験もあるしね」
「講師の採用もなの」
「そう。ちゃんとね」
 試験と面接を行って決めているというのだ。もっともこれは常識であるが。
「だからわかりやすくていい講義なんだよ」
「成程ね。そうなの」
「うん。ここは先生もしっかりしてていい塾だよ」
「けれどどうなのかしら」
 首を傾げさせてだ。雅はだ。
 猛の言葉にだ。こう言ったのだった。
「何故理事長がそうしないのかしら」
「採用の面接を?」
「そう。普通は理事長さんがするのじゃないかしら」
「そういえばそうだね」
 言われてだ。そのことに気付いた猛だった。雅のその言葉にだ。
「どうして理事長さんが面接されないんだろ」
「それに猛の話を聞いてると理事長さん自身全然人前に出て来ないけれど」
「うん。一応事務室に写真が飾られてるけれどね」
「事務室に?」
「そう。事務室の壁にね」
 理事長の写真が飾られているというのだ。
「ちゃんとね」
「飾られてるんだ」
「けれど人前には出ないの」
「そう。殆どの塾生が見たことないと思うよ」
「理事長さんなのに人前に出ないって」
 雅には余計にわからないことだった。少なくとも彼女の考える限りでは。
 それでだ。雅はこう言ったのだった。
「物凄く不思議だけれど」
「けれど塾の経営はしっかりしてるんだよね」
「みたいね。塾生も多いし講師の人達もしっかりしてて」
「父さんがよく言ってるけれど」
 父の話からもだ。話す猛だった。
「掃除がしっかりしてる場所はいいっていうからね」
「そうね。整理整頓がしっかりとしているとね」
「この塾はおトイレも教室も凄く奇麗だから」
「経営もしっかりしてるのね」
「そう思うよ。本当に副理事長さんがしっかりとした人だから」
 やっていけているという
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