第六百六十二話 気付けば二本その三
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「黒髪ロングの」
「アイシャドーをしておるか」
「それで男色家の」
「美少年キラーであるな」
「あの少佐みたいですね」
「そうであるな」
博士はこのことも否定しなかった。
「言われてみると」
「物凄い不健康な生活ですね」
「あの少佐の生活自体がな」
「朝ご飯にワイン一本って」
「朝食欲がなくてな」
それでというのだ。
「男性の奥さんが作ってもじゃ」
「食べていなくて」
「そしてじゃ」
そのうえでというのだ。
「朝はな」
「それでお昼はステーキですよね」
「食事は常に肉じゃ」
「それとワインですね」
「しかもヘビースモーカーでな」
「無茶苦茶不健康な暮らししていますね」
「まあ現実にこんな生活をするとな」
博士は野上君にコーヒーを飲みつつ話した。
「すぐに身体を壊す」
「成人病になりますね」
「癌になることもな」
この可能性もというのだ。
「高いぞ」
「そうですよね」
「だからな」
「こんな生活はですね」
「わしは勧めん、栄養はバランスよくじゃ」
「摂ることですね」
「ワインを飲むのもよいが」
「それだけだとですね」
「よくない、ましてすきっ腹にお酒はな」
これはというのだ。
「ビールでもあまりじゃ」
「よくないですね」
「胃に負担がかかる、だからドイツでも生卵を入れてじゃ」
「飲むことはですね」
「朝食にな、食欲がなくともな」
「胃に悪いですね」
「飲むならバランスよく食ってな」
そうしてというのだ。
「楽しむことじゃ」
「お肉にお野菜もですね」
「しかと摂るのじゃ、野菜でなくとも果物でもよいが」
「ビタミンとか繊維質はですね」
「よく摂ることじゃ」
このことを忘れるなというのだ。
「脚気でも言えるがのう」
「ビタミンも摂ることですね」
「あの少佐の食生活はまことにいかん」
絶対に駄目だというのだ。
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