第二百五十二話 統一を経てその十一
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海の魔神を見据えていた、そして蝦夷の統治に心血を注いでだった。
基盤が固まったと見てだ、仲間達に札幌城で告げた。
「蝦夷は後は藩や奉行に任せる」
「そうしますね」
「もう基盤は固まった」
淳二に応えた。
「後は俺達がおらずともな」
「治まっていきますね」
「道と港が整いだ」
「街や村も出来てきて」
「田畑や工場も出来てきた」
そこまで整ったというのだ。
「人も増えてきた」
「アイヌの者との融和も順調です」
「ならだ」
「もうですね」
「俺達は蝦夷への統治からな」
「天下の統治に戻りますね」
「そうする、大坂に戻り」
そうしてというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「天下の統治に戻り」
「そして朝廷に赴き」
「遂にだ」
「海の魔神のことをですね」
「伺おう」
こう良太に述べた。
「俺達全員が朝廷に参内してな」
「そうしますね」
「その時が来た、思えば長かったが」
それでもとだ、英雄は話した。
「いよいよだ」
「機が来たかも知れないですね」
「そうなったからな」
それだけにというのだ。
「行くぞ」
「それでは」
「そしてだが」
英雄はさらに話した。
「朝廷の公家達だがな」
「神々に仕えている」
「あの者達にも何かとだ」
「褒美を与えねばなりません」
「この世界の公家達は神官の様なものだ」
「朝廷に座す神々に仕える」
「政治は行わずな」
仕事はそちらではなくというのだ。
「祭事を行う」
「そうした存在ですね」
「祭事にも褒美が必要だ」
『左様ですね」
「だから神託を伺えずともな」
「参内しならですね」
「多くの褒美をだ」
まさにそれをというのだ。
「あの者達に出す」
「そうもしますね」
「俺は無駄遣いはしない」
それは決してというのだ、事実英雄はその政においても私においても金を出すには慎重な性分である。
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