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展覧会の絵
第五話 愛の寓意その五
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見つつだ。雅は猛に話す。
「凄い優等生だっていうけれど」
「天才って言われてるけれどね」
「しかも美術部でもホープっていうわね」
「彼もこの塾に通ってるんだ」
「それも一番凄いクラスだけれど」
 こうだ。雅は十字が入ったクラスも見た。国公立の最上クラスだ。だから言ったのだった。
「八条大学どころか東大もいけるんじゃ」
「だろうね。この塾から国公立に入る人も多いから」
「阪大とか京大が多いのよね」
「そうだよ。あと神戸大ね」
 関西の国立大学の名門だ。どれもだ。
「東大よりそうした大学に入ることが多いね」
「そうだよ。東大は行けても行かない人が多いね」
 この辺り関西だった。関西の予備校では東大より阪大や京大なのだ。これは名古屋も同じで名古屋大に入ることの方が多いようである。地域色であろうか。
「この塾からはね」
「そうなのね。関西なのね」
「そうだよ。関西だからね」
「阪大に京大ね。私には無理ね」
 雅はそうした大学は諦めていた。最初からだ。
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