第二章
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「麺は細麺たい!他はなかとよ!」
「そ、そうね」
「やっぱりラーメンはそれよね」
「豚骨ラーメンが一番よね」
「それで麺は細くて」
「バリカタもいいかと」
こう話してだった。
皆それでいいとした、麻里佳の要求は無事通った。だがこの話は瞬く間に学校中に広まってであった。
麻里佳はもう萌え系とは思われなくなった、それどころかだ。
「あのドスの利いた様子といい」
「博多弁丸出しといい」
「あれが地?」
「どう見ても」
「そうよね」
周りもこう話した、それでだった。
麻里佳は順子と二人きりで博多の屋台で共にこだわりの豚骨ラーメンをすすりながら話した。
「もうたい」
「きさんが可愛いとは思わなくなったたいな」
「家のこともばれたたい」
「繁華街の居酒屋の娘たい」
「それで本当の得意料理は」
それは何かというと。
「お刺身に冷奴、唐揚げに厚焼き玉子たい」
「全部居酒屋のメニューたい」
「それで焼きそばもたい」
「それでもつ鍋たいな」
「全部わかってしまったとよ」
まさにというのだ。
「困ったたい」
「それで嫌われたたい?きさん」
順子は麻里佳に問うた。
「そうしたことがばれて」
「そうでもなかとよ」
麻里佳は即座に答えた。
「それが」
「そうたいな」
「うちかえってたい」
キャラを作っていた時よりもというのだ。
「むしろたい」
「好かれてるたいな」
「そうなってるとよ」
「ならそれでよかとよ」
順子は落ち着いた声で返した。
「とりあえずスイーツは作れるたいな」
「勿論たい」
言うまでもないという返事だった。
「料理部で作っているのは事実たい」
「ならそれでよかとよ、スイーツも作って」
「それで居酒屋のメニューもたいか」
「作るとよ。きさん地でも人間は悪かなかとよ」
「そうたいか」
「博多弁がきつかだけとよ」
ただそれだけだというのだ。
「だからうちも一緒にいるとよ」
「そうたいか」
「そうばい、もう開き直ってそのままでいて」
キャラを作らずというのだ。
「やっていくとよかとよ」
「そうか、きさんがそう言うなら」
「そうするたいな」
「そうしていくとよ」
実際にだ、麻里佳は順子の言葉に頷いてだった。
バリカタ麺を勢いよくすすって替え玉を注文した、そしてそれも食べてだった。
二人で肩を組んで仲良く喋りもした、それから麻里佳は学校でもありのままの自分でいた。すると口は悪いが気風がよくざっくばらんの友達として人気が出た。しかも料理上手ということで尚更であった。そして順子ともずっと親しく友達でいた。
得意料理は実は違う 完
2022・6・22
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