アスターテ星域会戦C
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は命令違反になりますが…」
「構わん、及び腰になった金髪の孺子の命令など聞けるか、右回頭せよ!!」
ラインハルトからの命令に対しエルラッハ少将は旗艦ハイデンハイム艦橋で真逆の命令を発す。そして、帝国軍エルラッハ分艦隊は一斉に右回頭を行なおうとして…。
「な、敵攻撃、本艦に直撃します!!」
「回避ィ!!」
エルラッハ少将は絶叫にも似た声を上げるが、時すでに遅しだった。戦艦ハイデンハイムは船体中央に複数の命中弾を食らい真っ二つになって爆発四散。旗艦を失ったエルラッハ少将の艦隊は指揮命令系統が混乱し、もはや陣形を維持するどころではなく各個に応戦するしかなかった。
「報告、戦艦ハイデンハイム轟沈!エルラッハ少将戦死の模様!」
「なんだと!?」
帝国軍本隊の旗艦艦長席に座っていたシュタインメッツは報告を聞いて絶句した。一方ラインハルトは
「自業自得だ。しかし・・・」
「はい、どうやらまだ指令が徹底しているとは言い難いようです」
「そうだな、指令を徹底させよう。再度各艦艇に敵の後背につくように伝えてくれ」
「わかりました。全艦へ通達します」
「頼む」
キルヒアイスは通信士官に命じると、再び戦況を見守るのだった。
一方の同盟軍だが、まだまだ不利は続いており気を抜けない状態が続いていた。
「敵、前進を続け我が艦隊の後背に回り込むつもりです!!」
「やはり、あの手か…」
「そのようですね、どうしますか?」
「このまま前進を続けてこちらも敵の後背を突こう」
「了解」
そしてお互い前進を続け、相手の後背に回り込もうとすること数時間。陣形はリング状になって
いた。
第4艦隊臨時旗艦 標準型戦艦リューリク 艦橋
「これはまた、こんな光景生きてる間には滅多に見られんだろうな…」
「えぇ、そうですね」
「あぁ、まるで互いの尻尾を飲み込もうとする蛇、さしずめウロボロスだなこれは…」
「なるほど・・・いい例えですな。しかしこのままでは消耗戦になりますな」
「そうだな、だが敵も消耗戦の愚は知っているだろうよ。おそらく何らかの方法で決着をつけてくるはずだ」
「その方法とは?」
「それは私にもわからん。だが、何か仕掛けてくるはずだ」
そうクロパチェクが言った後に旗艦リューリクに報告が入る。
「報告、敵艦隊撤退していきます!!」
「何だと!何故だ??奴ら何を考えているのだ・・・」
「代理指揮官殿、追撃をかけますか?」
「いや、いい。此方も第2艦隊に続いて撤退する」
「了解です」
かくしてアスターテ星域会戦は戦略的には帝国軍のアスターテ星域侵入を阻止した同盟軍の辛勝、戦術的には4万隻の敵艦隊の約半数を破壊した帝国軍の圧勝という結果で終結した。
参加した艦艇はそれぞれ、同盟
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