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銀河を漂うタンザナイト
アスターテ星域会戦C
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、その後、左旋回を行い敵第4艦隊を包囲殲滅する。キルヒアイス、各艦の準備はいいか?」
「はい、いつでもいけます」

その言葉と同時にラインハルトは手を振り下ろす。
それを合図に帝国遠征軍の全艦艇が一斉に動き出す。
そして、左翼に位置するシュターデン艦隊とエルラッハ艦隊もそれに呼応して前進を開始する。

「よし、全軍前進、敵を蹴散らせ!!」

こうして、ラインハルト率いる帝国軍遠征艦隊は総力を挙げて敵に攻撃を敢行したのであった。

「代理指揮官殿、敵が向かってきました!」
「ふむ、予想通りだな。各艦は敵との相対距離をゼロに保ちつつ応戦、決して突出しすぎないように注意しろ」
「了解です」

クロパチェクの指示を受けて、各艦の艦長たちは部下たちに指示を出す。そしてすでに帝国艦隊左翼に展開した第4艦隊に対してほぼ同数のシュターデン・エルラッハ両艦隊が突撃してくる。

「敵は勢いに任せて突っ込んでくるつもりだ。こちらは冷静に対処すれば必ず勝機はある。落ち着いていくぞ」
「了解しました」
「よし、主砲斉射三連。ファイアー!!」

クロパチェクはそう言うと自らが指揮する第4艦隊麾下の全艦が主砲を放つ。放たれた閃光はシュターデン・エルラッハ両軍の先頭部隊を飲み込み轟沈させる。

「おのれぇ、怯むな!撃ち返せ!!撃って撃って撃ちまくれ!!」

エルラッハ少将は自らの座上する旗艦ハイデンハイムで怒声を上げる。シュターデン・エルラッハの両艦隊は小生意気な敵艦隊に果敢に反撃を試みるも、クロパチェクは事前に砲撃のタイミングを見計らっており、第4艦隊は敵艦隊の攻撃に対して距離を取りつつ、巧みに回避しつつ反撃に転じていく。その結果、同盟軍第4艦隊に対してシュターデン・エルラッハ両艦隊は多大な損害を被る結果となる。しかし、それでもなおも同盟軍第4艦隊は止まらない。
逆にシュターデン・エルラッハ艦隊が敵第4艦隊に対する攻撃に手間取っている間に、第2艦隊右翼集団と連携して敵第2艦隊への制圧射撃を開始し、敵艦隊を徐々に押し込んでいったのである。
そして、この攻撃により第2艦隊はある程度態勢を立て直すことに成功し、指揮系統の再編に成功。そんな中…


「あー、私はパエッタ総司令官の次席幕僚、ヤン・ウェンリー准将だ。旗艦パトロクロスが被弾し、パエッタ総司令官は重傷を負われた。総司令官の命令により、私が全艦隊の指揮を引き継ぐ…。心配するな、私の命令に従えば助かる。生還したい者は落ち着いて私の指示に従ってほしい。我が部隊は現在のところ負けているが、要は最後の瞬間に勝っていれば良いのだ。…ハッ、我ながら偉そうなこと言ってるな…」
「まさか、期待してますよ」
「負けはしない。新たな指示を伝えるまで、各艦は各個撃破に専念せよ。以上だ。」


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