アスターテ星域会戦C
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「それはよかった」
「ですが、問題は……」
「ああ、次の指揮官が誰かという事だ」
幕僚の言葉に現第4艦隊代理指揮官アラン・クロパチェクは腕を組む。
「現在、第2艦隊は旗艦パトロクロスが被弾し、パエッタ中将は重傷を負っている状態です。代理の指揮官に関してはまだ報告がありません」
「ふむ、そうなると誰が指揮を執るかだな、本来なら第2艦隊の将官クラスの幕僚が務めるべきなのだろうが……」
「しかし、そのような人物がそう簡単に見つかりますかな?」
「確かに難しい問題だが、俺には1人心当たりがあるな」
「それはいったい……?」
「あぁ、エル・ファシルの英雄ヤン・ウェンリーだ」
クロパチェクは自信満々に答えた
。
「なっ!?そ、そんな無茶苦茶な、いくらなんでも無理ですよ!?」
「なぜだ?少なくともあいつは同期で主席だったワイドボーンをシュミレーター戦で破ったし、なによりエル・ファシルで300万人の民間人を一人も犠牲無く救い出したんだ、あいつならなんとかできるさ」
「はぁ…?」
幕僚は困惑気味に気のない返事をする。
「ま、それはいいとして現在の我が軍の状況はどうなっている?」
「ハッ、第2艦隊は旗艦パトロクロスが敵からの攻撃で中破、その際に司令部も攻撃により指揮系統が途絶、他の艦艇も少なからず被害を受けています。我が艦隊はいまのところは損傷軽微、敵艦隊に対し第2艦隊右翼集団と共に応戦中です」
「敵艦隊の動向はどうだ?」
「はい、敵艦隊は第2艦隊と交戦中でこちらの動きに気づいている様子はありません」
「よし、ならば敵艦隊左翼に回り込んで、第2艦隊と連携して敵艦隊の横腹を突き崩し、第2艦隊が態勢を立て直すための時間を稼ぐぞ」
「了解しました」
こうして、第4艦隊は敵艦隊左翼に対して攻勢を仕掛けるべく行動を開始したのであった。
帝国軍遠征艦隊旗艦 戦艦ブリュンヒルト 艦橋
「報告、敵第4艦隊、我が艦隊の左翼に進出を開始、戦闘態勢に入った模様!!」
「来たか……」
ラインハルトは静かに呟く。
「ラインハルト様、いかがいたしますか?」
「慌てることはない、全艦隊に通達。艦隊を単横陣に再編。左翼の目障りな敵第4艦隊はシュターデンとエルラッハに対応させろ」
「了解いたしました」
通信オペレーターは命令を復唱すると各艦へと伝達するべく回線を開く。
「キルヒアイス、お前は敵の狙いをどう読む?」
「はい、敵の狙いはおそらく我々を引きつけて戦力を分断し、敵第2艦隊の戦力再編を成功させることにあると思われます」
「ふっ、俺もそう考えていたところだ」
「では、如何なされるおつもりで?」
「そうだな…。よし、こちらもそれに乗るとしよう。我々はこのまま直進して敵第2艦隊を砲撃
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