アスターテ星域会戦C
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…」
「閣下、いかがいたしますか?こちらも敵に対応して防御陣形を取り応戦すべきです」
幕僚の提案に対しパエッタは一瞬考えた後に首を横に振った。
「その必要はない、突撃し敵艦隊に猛攻を加え一気呵成に粉砕する!」
「なっ!?」
艦橋内を衝撃が走る。さすがに見かねたヤンを始めとした数名が声を上げる。
「つ、ついに頭の配線が切れたのか!?」
「パエッタ中将!!」
「黙っていろヤン准将!!私が先頭に立って戦えば味方の士気もきっとあg「本艦に敵弾接近!!」
パエッタの声を遮るようにオペレーターが叫ぶ。
「回避運動開始!!」
パエッタの命令で第2艦隊旗艦パトロクロスは回避行動をとるも、その直後、第2艦隊旗艦パトロクロスに攻撃が命中し、船体が大きく揺れる。
「ぐわぁ!?」
パエッタは突然の衝撃に椅子から吹っ飛ばされて壁に叩き付けられてしまう。
「閣下!!」
「大丈夫ですか!?」
周囲の部下たちが慌てて駆け寄る。パエッタの制服は血で真っ赤に染まっており、彼がかなりの重傷であることを示していた。
「うぅ、ゴホッゴホッ…」
パエッタが咳き込むと口から大量の血液が出てくる。
「閣下しっかりなさってください!!」
「だ、だいじょうぶだ……」
パエッタはそう言って立ち上がろうとするものの足元がおぼつかない。
「閣下!!ご無理をされてはいけません!!」
「パエッタ中将が負傷された、医療班は直ちに艦橋へ」
「了解しました」
パトロクロス医療班の衛生兵たちはパエッタの体をストレッチャーに載せると医務室へと連れていこうとするが
「ま、待て!!」
「閣下、どうかご辛抱を!」
「や、ヤン准将を呼べ、今すぐに…」
パエッタは必死の形相を浮かべながら部下たちに訴える。
「閣下……」
「ヤン准将・・・君が、艦隊の指揮をとれ・・・今いる士官の中で、どうやら君が、最高位のようだ・・・」
「私が、ですか?」
「そうだ、貴官の…、用兵家としての手腕を…、振るうといい…」
それだけ言いつくすとパエッタは力尽きたのかストレッチャーに倒れこむ。
「閣下!!」
「軍医!急いでくれ!!」
「分かっています!!」
第2艦隊旗艦パトロクロス艦橋部にいた全員の視線が集中的にヤンに向けられる。
「…まいったな、これは」
指名されたヤンはというと頭をかいてぼやく。
第4艦隊臨時旗艦 標準型戦艦リューリク 艦橋部
一方パエッタ負傷の知らせは第4艦隊司令部にももたらされていた。
「なに、パエッタ中将が!?」
「はい、敵艦からの砲撃を受け負傷したとのことです」
「それで容体は?」
「出血は多いようですが命には別状はないと思われます」
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