第四話 インノケンティウス十世像その十三
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もだ。
十字の顔にも表情にも感情はない。全くの無機質だ。
そしてその無機質なままだ。彼は神父の言葉に応えてだ。こうも言ったのだった。
「赤ワインにも合うしね」
「だからこそですね」
「喜んで頂くよ。では今日も神に感謝して」
「はい、そのうえで」
「頂くよ」
「では早速作りますので」
こうしてだ。二人は教会に戻り画廊を後にした。法皇のその内面まで描き出した絵は画廊にあり続けた。そのうえで闇に包まれていく画廊の中でだ。次第にその闇の中に消えたのだった。
第四話 完
2012・1・30
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