第五十六話 犬も太るのでその十一
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「そんな人はね」
「そうよね」
「自分が我慢してきたとか言ってもね」
「その環境がおかしいだけね
「そう、暴力は受け続けたら無気力になって」
娘にこのことも話した。
「考えられなくなってね」
「そうなるの」
「それで無抵抗にもなってよ」
「殴られたりするだけになるの?」
「それで相手の言うままになるのよ」
「何かナチスかソ連みたいね」
「それでナチスやソ連も暴力を使ったのよ」
暴力による恐怖の支配だ、確かにそれはかなりの効果を見せた。
「そうしたのよ」
「そうなのね」
「それでよ」
「そうした人はナチスやソ連と同じね」
「そういうことよ」
「じゃあそうした先生のいる部活も」
「同じよ」
まさにというのだ。
「ナチスやソ連とね」
「同じなのね」
「そうよ」
ナチスは社会主義、ソ連は共産主義であるが根は同じなのだ。彼等のルーツはジャコバン派であることはその行いを観ればわかることだ。
「まさにね」
「とんでもない人達ってことね」
「そういうことよ」
「ナチスやソ連ね」
「両方共同じでしょ」
ナチスもソ連もというのだ。
「とんでもない独裁国家でしょ」
「ヒトラー、スターリンの」
「最悪と言っていいね」
「ナチスは資本主義じゃないわよ」
「社会主義なのよね」
「だから国家社会主義労働者党なのよ」
この党名だったというのだ、ナチスとはドイツ国家社会主義労働者党を略したものである。
「政策も社会主義だったのよ」
「資本主義じゃなくて」
「労働時間を制限して賃金を上げて厚生もよくしてね」
「労働者の政策をしてたのね」
「そう、ただ一党独裁で」
「そこはソ連と同じね」
「秘密警察があって徹底して言論弾圧をしていてね」
ナチスではゲシュタポ、ソ連ではKGBがあった。どちらも恐ろしい権限を持っていて国家の言論を統制していた。
「同じよ」
「ナチスは極右とか言う人いるけれど」
「ドイツ人を優秀とか言うからよね」
「そうね」
「それが違うのよ、左でね」
「そうなの」
「社会主義だから」
それ故にというのだ。
「右は資本主義でしょ」
「左は共産主義か社会主義で」
「ナチスはそちらだったのよ」
「そうだったのね」
「それで極端にいった」
「極左だったのね」
「民族がどうかは関係なくね」
ナチスというとアーリア人至上主義であるがその政策は基本は社会主義であり統制経済を行っていた。
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