第四百六十一話
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第四百六十一話 香水をかけると
祖母は梨花にその香水の瓶を差し出した、そうして自分の孫娘である彼女に対して確かァ顔でこう言ったのだった。
「これをあげるわ」
「それが薔薇の香水なのね」
「そう、お祖母ちゃんが持っていて」
祖母はにこりと笑って話した。
「梨花ちゃんにあげるものよ」
「それで有り難うはいいのね」
「ええ」
梨花の問いに微笑んで答えた。
「そうよ」
「じゃあ貰うわね」
「そうさせてもらうわ」
「それじゃあね」
「それでね」
祖母はさらに話した。
「一度かけてみて」
「身体に?」
「そう、首筋とかにね」
そうした場所にというのだ。
「少し付ければいいの」
「少しでいいの」
「そう、少しでね」
それだけでというのだ。
「いいの」
「そうなのね」
「霧吹きでかけてもいいし」
「身体になのね」
「それだけでいいから」
使う量はというのだ。
「本当にね」
「少しだけね」
「そう、それだけでね」
「いい匂いがする様になるの」
「そうよ、梨花ちゃんは毎日お風呂に入っていてね」
祖母は梨花のこのことも話した。
「しかも体質や体臭がお祖母ちゃんと似てると思うからいけるわ」
「体質や体臭?」
「香水はそれでも変わるの」
「そうなの」
「匂いがね、じゃあ試しにね」
「今から使っていいのね」
「少しだけでね」
その量の話は念押しだった、惜しいからではなくあくまでそれだけでないと駄目という口調であった。
「沢山使うと匂いがきついから」
「少しね」
「それだけでいいの」
こう梨花に話して使わせた、そして梨花も数滴だけ手にかけてそれを自分の首筋にそっと付けてみた。
第四百六十一話 完
2022・4・7
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