第三章
[8]前話
「校則だって破ってないだろ」
「学校と関係ないし」
「ならいいだろ、お互い楽しんでやっていこうな」
「えっ、山北さんメイドになるの楽しいの」
「やってみたらな、最初はバイト代いいからやったけどな」
真理愛は笑って話した、ベンチで隣り合って座りながら話している。
「やってみたらな」
「楽しいの」
「お店じゃ何でも小悪魔系でな」
その路線でというのだ。
「売られてるらしいな」
「そうなのね」
「それで楽しんでな」
「働いてるのね」
「そうなんだよ」
これがというのだ。
「意外かも知れないけれどな」
「意外ね」
霞も否定しなかった。
「だってね、山北さんってヤンキーだから」
「それで小悪魔系ってか」
「ギャップ凄いわ。けれどそれで人気なら」
霞はこうも言った。
「それはそれでいいんじゃないかしら」
「アルバイト続けられるからか」
「ええ、じゃあ今度その小悪魔な姿見せてくれる?」
霞は真理愛に今度は微笑んで話した。
「そうしてくれる?」
「お客さんとしてうちに来てくれるならな」
真理愛も微笑んで返した。
「いいぜ。しかし委員長ってな」
「どうしたの?」
「体育とかの着替えの時から思ってたけどスタイル滅茶苦茶いいな」
コスプレをしている彼女を見て言った。
「色市ぞだしな、だから変んな奴には気をつけろよ」
「それあるのね」
「あるさ、そんな時はあたしに言えよ」
真理愛はスティックが付いた飴を舐めながら笑って話した、それが煙草を咥えている様だったが煙草ではなかった。
それでだ、霞は笑ってこう言った。
「飴を舐めてなかったらいい言葉だったのに」
「だから校則違反じゃねえだろ」
「何だかんだで校則は守るのよね」
「ヤンキーでもあたしはそうなんだよ」
こう返す真理愛だった、そうした話をしているうちに二人は仲良くなった。そしてお互いに店に行ったりコスプレの画像を見たりして学生時代を過ごしそれからも二人は仲のいい友人同士であり続けた。
ヤンキーギャルの別の顔 完
2022・6・20
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