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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第115話:連帯にも限度はある
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判断を下そうとメデューサに真意を問い掛けた。

 メデューサはそれに答える。

「我々も、あなたの作り出そうとしている万象黙示録に興味があるのです。何しろ魔法は錬金術より派生した技術。学べるところは多く、万象黙示録が完成の暁には必ずや魔法も大きく発展すると思い……」

 メデューサの言葉をキャロルは胡散臭そうに眺めていたが、先程も述べた通り背に腹は代えられないのも事実。ならば、裏で何を企んでいようとそれすらも踏み越えてやろうと言う気持ちでキャロルはメデューサの提案を受け入れた。

「……いいだろう、お前達の援助を受けてやる」

 渋々と言った様子で頷いたキャロルに、メデューサは頭を下げる。その際メデューサは、キャロルには見えない位置で薄っすらと笑みを浮かべ――――

「――だが肝に銘じておけ。もし俺を出し抜こうとか考えていたのなら……」

 気付けばメデューサの周囲にアルカノイズが召喚されており、解剖器官を突き付けられていた。

「その時は、誰であろうと容赦しない」

 冷たい差すような視線に、メデューサは本人も気付かぬ内に生唾をごくりと飲み込んだ。気圧されたのだ。見た目年端も行かぬ少女にしか見えない、この錬金術師1人を相手に。

 内心で抱いた忌々しさを欠片も表には出さず、メデューサはもう一度頭を下げた。その様子にキャロルはメデューサから視線を外し玉座へと戻っていく。

「差し当たって、今は歌女共を何とかせねばな。ミカ、後でお前にはガリィと共に立花 響への襲撃に参加しろ。いいな?」
「いいゾ!」
「お前達魔法使いは、精々ミカとガリィの邪魔をしない程度に魔法使いの妨害からこいつらを守れ」
「……承知しました」




***




 後日、颯人は奏・翼・クリス、そして透と共に発令所にてエルフナインからの話を聞いていた。

「先日響さんを強襲したガリィと、クリスさん達と対決したレイア。これに、翼さんと奏さんがロンドンで見えたファラと、未だ姿を見せないミカの4体がキャロルの率いるオートスコアラーになります」
「人形遊びに付き合わされてこの体たらくかよ!」

 クリスが忌々しげに呟くが、透が彼女の肩に手を置く事で落ち着かせる。一方颯人は自分と対決したビーストの名前が出てこない事に首を傾げた。

「あのビーストって奴は? あいつもキャロルの仲間なんだろ?」
「ビースト……ハンスですね。彼については、正直僕も詳しくは知らないんです。キャロルと共に居るところはよく見かけるんですけど、話した事も無くって……」
「情報無し……か」
「ですが、首魁と共に居るという事は、その4体と1人がお姫様を取り巻く護衛の騎士と言ったところでしょうか?」

 慎二が何気なくそう口にした。なるほど、
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