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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第115話:連帯にも限度はある
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誰も知らぬ場所にある城の中改め、チフォージュ・シャトーの玉座の間。
キャロルが一人静かに玉座に腰掛けていると、玉座から階段を降りた先にある4つの台座の内一つに魔法陣の様な物が出現しそこにガリィとハンスの2人が転移してきた。キャロルは魔法陣が出現するなり玉座を立ち、階段を降りて広場へ向かうと何かを言うよりも先にハンスの顔を思いっきり引っ叩いた。
「!」
「づっ?!」
「ま、マスター、あの――」
「皆まで言うな。良いからさっさとハンスを部屋に連れていけ」
「おいおい、心配するなよキャロル。これくらい――」
ハンスが何かを言おうとするが、キャロルはその言葉を聞かず再び彼の頬を引っ叩く。
ガリィはそんなキャロルを見て、戦闘の結果報告もせずハンスを引き摺る様にしてその場を離れていった。
後に残されたのはキャロルと3体のオートスコアラー。ガリィに連れていかれるハンスの後ろ姿を見送ったキャロルは、苛立ちを紛らわすように親指の爪を噛んだ。
「苦労しているようで」
「ん?」
苛立つキャロルに唐突に声を掛ける者が居た。オートスコアラーではない。キャロルが声のする方を見れば、そこには妖艶な笑みを浮かべたメデューサが暗がりから姿を現していた。
メデューサの姿に、キャロルは更に苛立ちが募った様に眉間に皺を寄せ視線を鋭くする。
「……何の用だ?」
「そろそろあの話、受けてはくれないかと思ったもので……」
キャロルに対し、メデューサはどこか恭しく頭を下げてそう言った。そんなメデューサにキャロルはフンと鼻を鳴らす。
メデューサの態度は一見キャロルに敬意を払っているように見えるが、その実腹の中では姦計を巡らせているのが丸分かりだった。時折キャロルに向ける、探るような視線がそれを証明している。
しかし…………
「何故、俺達に手を貸そうとする? お前達魔法使いが、俺に手を貸して何の意味がある?」
メデューサの提案は至極単純なもので、キャロルの計画に彼女達ジェネシスの魔法使いが助力しようというものだった。以前クリスとレイアが戦った時、メデューサはレイア経由でキャロルに提案を持ちかけていたのだ。
当時はどこの馬の骨とも分からぬ魔法使い如きが何をと一蹴したのだが、今回の事でS.O.N.G.との戦闘で色々と問題と言うか心配事が露見した。
――ガリィ達は計画の為に魔法使いと戦わせる訳にはいかない。しかし、ハンスにばかり負担を押し付けるのは……――
背に腹は代えられない。扱える戦力に限りがある事を嫌でも実感したキャロルは、断腸の思いでメデューサからの提案を受け入れる事を考えた。
だがそれも、メデューサが腹の内で抱えているものによりけりだ。故に即断するようなことはせず、慎重に
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