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レーヴァティン
第二百五十二話 統一を経てその四

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「神託を伺うならだ」
「出来るだけ詳しく知って」
「そして対せられるだけの力を備えてな」
「戦うっちゃな」
「そうする、どれだけ強い敵でもな」
「まず知ることっちゃな」
「無敵の存在なぞない」  
 英雄はこの言葉は断言した。
「例え神でもだ」
「弱点があるっちゃ」
「そうだ、かつて西洋列強は無敵の半神と思われていた」
 日露戦争まではだ、ひいては二次大戦までそれは続いていた。
「しかしだ」
「その実はだったっちゃ」
「違っていた、彼等の技術は有色人種も備えられ」
「国力も高められたっちゃ」
「そして戦って勝つこともだ」
「出来たっちゃ」
「日本がそれを証明した」
 自分達の国がというのだ。
「まさにな」
「そうだったっちゃな」
「そのことを見てもだ」
「無敵なものはないっちゃ」
「例え神でもな」
「弱点はあるっちゃ」
「神話を見てもだ」
 そうしてもというのだ。
「どれだけ強大な神でもだ」
「弱点があるっちゃ」
「そうだ、オーディンですらだ」
 北欧神話のこの神もというのだ。
「敗れている」
「ラグナロクの時だな」
 幸正が応えた。
「そうだな」
「そうだ、あの時にフェンリルに一口で呑まれてだ」
「そして死ぬな」
「ラグナロクの最初にだ」
「神々の主で戦いの神だが」
「魔法にも長けているな」
「しかしだ」
 それだけの力を持つ神だがというのだ。
「敗れてだ」
「死ぬな」
「そうなるな、確かに」
「ゼウスも敗れている」
 ギリシア神話のこの神もというのだ。
「雷を操り強大だが敗れたこともある」
「確かテューポーンとの戦いの時か」
「そうだ、その蛇の尾の両足に絡め取られてな」
 テューポーンの脚は両方共そうであったのだ、頭は百のドラゴンのそれでそれぞれ長く伸びており全身に羽毛が生えていた。とてつもなく巨大で常に防風を起こしていた。
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