第二百五十二話 統一を経てその三
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「そうであるからな」
「必ずお声を聞けますね」
「そうだからな」
それ故にというのだ。
「お伺いする」
「それでは」
紅葉も頷いて応えた。
「そうしましょう」
「戻ればな」
「是非共」
「八百万の神と言うが」
英雄はこうも言った。
「その実八百万よりもな」
「多いかも知れないですね」
「八百万とは多いという意味だ」
『やおろず』とはそうした言葉なのだ、非常に多いという意味なのだ。
「だからな」
「八百万以上の神々がですね」
「日本には座していてな」
「若しかするとですね」
「より多いかも知れない」
英雄は考えつつ述べた。
「何しろ人も死んで祀られるとだ」
「神になります」
「ものも神になる」
やはり祀られるとだ。
「草薙剣も八咫鏡も勾玉もだ」
「三種の神器もですね」
「神になるしな」
その為壇ノ浦の戦いでなくなった草薙剣に御霊移しが行われそうして今もあるのだ、ものも神になるのが日本という国なのだ。
「減らず増えていく」
「そうした国であるので」
「八百万というが」
その実はというのだ。
「それではだ」
「利かないかも知れないですね」
「中にはよくない神もたりだ」
所謂邪神という存在である。
「妖怪と区分がつかないがな」
「それでもですね」
「神々は多い」
「我が国では」
「そしてこの浮島でもな」
「だからですね」
「八百万以上存在するかも知れないが」
それでもというのだ。
「その神々にだ」
「神託を伺い」
「そして海の魔神のことを知る、出来ればな」
英雄は己の言葉を続けた。
「詳しくだ」
「それこそ隅から隅までっちゃな」
愛実が言ってきた。
「そうっちゃな」
「そうだ」
「そうっちゃな」
「敵を知るならだ」
「詳しくっちゃな」
「出来るだけな、だからな」
それ故にというのだ。
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