第二十五話 満足している姉その七
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「私もそんな悪人にはね」
「なりたくないわね」
「本気で思ったわ、というかそんな悪人にもね」
帰国事業に関わった輩共の様にというのだ。
「そもそもなりたくないし」
「人間として恥ずかしいわね」
「そんなことする連中はそもそも恥知らずでね」
それでというのだ。
「そうしたことをしてもよ」
「平気なの」
「平気じゃないと自分の行いを悔いてよ」
そうしてというのだ。
「責任取ってるわよ」
「それだけのことをしたら」
「謝罪してね」
「そのうえでよね」
「それこそ全財産投げ打ってよ」
そのうえでというのだ。
「責任取ってるわよ」
「そうしてるわね」
「けれど一人もね」
まさにそうである、この件について関係者で責任を取った者は一人もいない。
「いないのよ」
「鬼畜以下ね」
「餓鬼よりも酷いでしょ」
「本当に地獄に堕ちる行いね」
「そりゃ私だって悪いことしてるわよ」
美奈代は自分からこう言った。
「これまで散々ね」
「自覚してるのね」
「ええ、痛い位ね」
「それ私もだけれどね」
富美子はワインを飲みつつ姉に応えた。
「そう言われたら」
「まあ人は大抵ね」
「自分の悪いこと自覚してるわね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「人はね、問題はそこでどうするかで」
「責任を取ることね」
「そう、けれど帰国事業ではね」
「一人もなのね」
「責任取ってなくてそれで他の人の責任言うのよ」
おぞましいことにだ、この件に関わったある新聞社は従軍慰安婦や戦後補償で日本を嬉々として糾弾してきた。尚慰安婦は捏造であったがこの捏造と喧伝を確信犯で行ったことも指摘されている。
「もうここまでの悪人にはね」
「なりたくないのね」
「殺人鬼並の悪人よ」
口を歪ませて語った。
「それこそ」
「結果的に人殺してるしね」
「直接じゃないけれどね」
「あんなところに送ったら」
北朝鮮の様な国にというのだ。
「そうしたらね」
「普通に死ぬわよ」
「餓えとか粛清で」
「碌でもない死に方でね」
「それじゃあ本当に殺してるのと同じね」
「少なくともその人の人生破壊してるわよ」
どう贔屓目に見てもというのだ。
「それじゃあね」
「殺人鬼並の悪人ね」
「だから地獄にもよ」
「堕ちるのね」
「しかも責任を取らないで」
そうしてというのだ。
「他の人を糾弾とかね」
「滅茶苦茶悪い連中ね」
「もうそんな連中は絶対に地獄堕ちだし」
それにというのだ。
「私地獄に堕ちたくないし」
「そこまでの悪人にもなのね」
「なりたくないわ」
絶対にというのだ。
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