第二章
[8]前話
「これはいいわ」
「美味しいパンでしょ」
「これはね、イタリアにもそうはないな」
ここまで美味しいパンはというのだ、そしてだった。
パン以外のものも食べて飲んだ、そのうえで給食を完食してから話した。
「最高に美味しかったわ」
「じゃあ給食なんてとは思わないわね」
「もうね、私が間違っていたわ」
同じく完食している菖蒲に話した。
「本当にね」
「全部美味しかったでしょ」
「カレーシチューは上等のビーフシチューみたいで」
そうした味というのだ。
「牛乳も質がよくて林檎も新鮮でチーズもよかったわ」
「あんた特にハンバーグ美味しそうに食べたわね」
「最高だったわ、いやイタリアには勝てないでしょと思っていたら」
それがというのだ。
「もうね」
「勝ってる?」
「少なくとも負けてないわ、これが日本の給食ね」
美紅は唸る様に言った。
「凄いわね。じゃあこれからは毎日ね」
「馬鹿にしないで食べるわね」
「美味しくね、しかもカロリー少ないわね」
メニューを振り返って言った。
「案外」
「イタリア料理も結構カロリー高いわね」
「パスタもピザもね、オリーブだけれどオイルもたっぷり使うし」
その為にというのだ。
「イタリアの女の人って若い時はすらりとしていても」
「歳を取るとなのね」
「物凄く太るのよ」
「そうなるってことは」
「カロリーの高いものを沢山食べるからね」
「そのせいなのね」
「デザートだってね」
そのジェラートやタルトもというのだ。
「日本のものに比べたらカロリー高いかもね」
「和菓子でも案外高くないからね」
「そうよね、そこもいいわ」
こう言うのだった。
「だからもうね」
「給食馬鹿にしないわね」
「毎日楽しみにして食べるわ」
こう言って実際にだった。
美紅は毎日給食を楽しみにして過ごしていった、もう馬鹿にすることはなく昼のそれを楽しみにする様になっていた。それは彼女の楽しい日本の生活の中の一つになっていた。
日本の給食は凄い 完
2022・6・19
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