第一章
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日本の給食は凄い
物心ついてからずっとイタリアで生まれ育ってきた美紅=アルディーニは給食について小馬鹿にした様に言った。
「どうせしょぼいのでしょ」
「イタリアの料理に比べたらっていうのね」
「そうよ、もうイタリアなんてね」
ブロンドのショートヘアで目は黒い、肌は白く睫毛の長い彫のある顔で背は一五五位でメリハルのあるスタイルだ。父がイタリア人母がフランス人で父の仕事でずっとイタリアに住んでいてこの度父の転勤で日本の八条学園中等部に入ったのだ。
「他のことは流石に日本程じゃなくても」
「それでもなのね」
「そうよ、食べることについてはね」
日本に来て早速仲良くなった金本菖蒲長く黒い髪の毛で丸い小さな目と薄い唇と面長の顔を持つ一六五程の背の見事な脚線美を持つ彼女に話した。
「イタリア最強よ」
「パスタに肉料理にスープに」
「お野菜もね、まさにルネサーーーンスよ」
笑ってこうも言った。
「こと料理でイタリアに勝てる筈がないわ、イタリア料理最強よ」
「大きく出たわね」
「だってフランス料理も元はイタリア料理よ」
歴史のことも話した。
「デザートまで無敵なのに」
「ジェラートにタルトに」
「そのイタリア料理から見たら」
それこそというのだ。
「日本料理、給食なんてね」
「何でもないのね」
「そうよ、食文化でイタリアに勝てるかしら」
赤のブレザーと黄色いミニスカート、白のブラウスに黄色いネクタイという派手な制服姿で言う。対する菖蒲はシンプルなセーラー服だがスカートの丈は短い。その為脚線美が露わになっている。そんな話をしてだった。
給食を迎えたが。
美紅はそのメニューを見てだった。
思わず目を瞠って言った。
「あれっ、これは」
「どうしたの?」
「いや、結構ね」
机を寄せ合って向かい合っている菖蒲に自分の給食を見て話した。
「いいかも」
「そう思うのね」
「これはね」
コッペパンとカレーシチュー、ハンバーグにデザートの林檎そして牛乳といったメニューを見てそれで言った。
「いいかも」
「あんた具体的にどんなメニューと思ったのよ」
「いや、パンがあってスープがあってとか」
「簡単なのって思ってたのね」
「そうよ、シチューのお野菜凄いし」
「パンも大きいでしょ」
「栄養バランスもいいわね」
林檎も見て話した。
「結構量もあるし、あとは味ね」
「それは食べてみてよ」
「わかることね」
「そうしてみて」
「じゃあ」
父がイタリア人でカトリック信者であり彼女も洗礼を受けているので神に感謝してからそのうえでだった。
給食を食べた、まずはパンを食べたがその瞬間に目を瞠った。
「滅茶苦茶美味しいわ」
「そうでしょ」
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