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イベリス
第五十六話 犬も太るのでその六

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「健康も心配だとね」
「ちゃんと働けないわね」
「そうよね」
「だからね」
「出世出来ないのね」
「それ以前の問題だからね」
「アメリカが厳しい社会じゃなくて」
 よく言われる競争社会であることは事実だが、だ。
「それ以前ってことね」
「そうよ、あの国の太り方は凄いから」
「本当にね」
「咲も知ってるでしょ」
「あそこまではそうそう太れないわ」
 咲は母に真顔で答えた。
「私もね」
「あれだけ太ってるならわかるでしょ」
「満足に動けないし」
「健康もね」
「かなり危ないわね」
「命に関わる位ね」
「あそこまで太ってるとなの」
 それならというのだ。
「出世出来ないのよ」
「問題外の太り方でないと」
「普通の太り方ならね」
「いいのね」
「お腹が出てる位なら」
 その程度ならというのだ。
「いいと思うわ」
「そうなのね」
「お腹が膝まで垂れ下がって」
 そうしてというのだ。
「首がなくなる位のね」
「無茶苦茶な太り方したら」
「駄目なのよ」
「そういうことね」
「それでモコもね」
「そこまで極端には」
「太らない様にしましょう」
 こう娘に話した。
「毎日運動させてね」
「食べることはいいのね」
「そうよ、ドッグフードだしね」
「カロリー調整してあるから」
「お腹一杯食べてもいいのよ」
「要は運動させればいいのね」
「モコ自身好きだしね」
 運動がというのだ。
「怪我に注意しつつさせていって」
「太り過ぎない様にするのね」
「そうよ、モコが運動好きでよかったわ」
 母は心から思って述べた。
「本当にね」
「トイプードルがそうした種類で」
「そう、それでモコ自身ね」
「運動が好きで」
「よかったわ、猫より犬の方が運動好きだしね」
「そうなのね」
「もう猫はずっとお家の中で寝てる子もいるのよ」
 猫によるがだ、そうした猫もいるのだ。
「そうした子はいつも食っちゃ寝だからね」
「太っていくのね」
「そうよ、今言ったけれど太り過ぎにもね」
「なるのね」
「そうなの、だからね」 
 それ故にというのだ。
「猫は犬よりもね」
「太りやすいのね」
「その子によるけれどね」
 それでもというのだ。
「そうした子が多いからよ」
「そうなのね」
「だからね」  
 それでというのだ。
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