第五十六話 犬も太るのでその三
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「悪いことしたらその場でよ」
「すぐに怒るのね」
「そうしないと駄目よ」
「それが躾ね」
「これは人間でも子供なら同じよ」
「子供も悪いことしたらなの」
「すぐに怒らないと駄目よ」
その場でというのだ。
「いいわね」
「その場で」
「そのことは覚えておいてね」
「わかったわ」
咲もそれはと頷いた。
「私も結婚して子供出来たら」
「悪いことしたらよ」
「その場で怒るわ」
「そうしなさいね」
「まあ物凄く先かあるかないかわからないことだけれど」
「そこは縁だから」
母は娘に微笑んで話した。
「それ次第よ」
「それで結婚するのよね」
「縁を作るのも動いてこそだけれど」
「自分が」
「そう、けれどね」
それでもというのだ。
「神様もよ」
「用意してくれてるの」
「そうよ、縁はね」
「神様のお仕事なの」
「自分でそれがある様に努力しても」
それでもというのだ。
「それもね」
「神様のお仕事なの」
「努力した先に縁があっても」
その場合もというのだ。
「全部ね」
「神様の思し召しなのね」
「そうじゃないかってお母さん思うわ」
「そうなのね」
「モコと会ったのも縁だしね」
「そのことも」
「そう、こんないい娘と出会えたのも」
このこともというのだ。
「全部よ」
「神様がしてくれたことなのね」
「そう思うわ、それで今はね」
「モコも家族なのね」
「ずっとね」
「私モコと会えてよかったわ」
咲はそのモコを見て言った。
「本当にいい娘だから」
「癒されるでしょ」
「前のモコが亡くなって半年経ってね」
「お家に来てくれてね」
「何かモコが生まれ変わったみたいだって思ったし」
「その娘多分生まれ変わりよ」
母は咲の今の言葉を否定せずに述べた。
「前のモコもね」
「やっぱりそうなの」
「犬の種類は違うけれど」
「前の娘は柴犬でね」
「そうだけれどね」
「生まれ変わりなのね」
「生まれ変わってね」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「うちにまた来てくれたのね」
「そうよ、前の人生いや犬生の時は咲のお姉ちゃんだったけれど」
「モコの方が先に生まれてたしね」
「そうだったけれど」
「十八歳で亡くなったのよね」
「あんたあの娘が四歳の時に生まれたからね」
「それで私が十四歳の時に亡くなって」
咲はその時の大往生の時を思い出しながら話した。
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