溢れる気持ち
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も強制転移っちゃあよっぽどのことがあったのだろう、と俺は一人で勝手に納得しつつ、辺りを見渡した。
どうやら強制転移を喰らったのは俺だけじゃないらしく、他にもかなりの量の人がここ始まりの街の鐘の前に集まってくる。下手したら、今回サービスにいる一万人全員くるんじゃないか?
と、しょうもないことを考えつつ、少し今の状況について考えてみることにした。
「何でいきなりプレイヤーを広場にあつめた?まさかこの行為事態がバグ等とは考え難いし他にシステム上でミスが、それも致命的なバグがでたのか・・・?」
とそう結論付ける。それなら十二分にありえる話だ、と考えた点で今度は別の疑問が残る。
「じゃあその致命的な欠陥って何だ?」
俺がそう考えた瞬間、空が真っ赤に染まった。
周りはざわざわしていてとてもじゃないが落ちついた表情じゃあない。
そんな中、空に[Warnig]の単語が空を覆いつくしたかと思うと第二層の底辺にはこれまた真っ赤な文字で[System Announcment]という文字が見えた。
それはシステムを管理する運営側からのアナウンスが始まることを示している。
だがしかし、俺はさっきからどうしようもない不安を抱いていた。
『まるでもう二度と現実には帰れない』
まるでそういわれたかのような猛烈に嫌な予感がした。
とにかくその不安を断ち切るべく俺はすぐさまにメニューウィンドウを開き、ログアウトボタンを・・・・。
「・・・・はぁっ!?」
俺は驚きのあまりすっ頓狂な声をあげてしまっていた。
・・・ないのだ、ログアウトボタンが何処にも。
そんな筈はないと思いもういちど探すが、やはりない。
それと同時に俺は今度こそ確信した。これは危険だと。
しかしもうすでにダイブしてしまったのだ。今更足掻いたところでなんにもならない゜
そう、取り敢えずまずは落ち着こう、落ち着いたら良い考えの一個か二個浮かんでくるさと楽観的に考えていた矢先、あたかもそれを否定するかのように落ち着いた声が上から聞こえてきた。
何かと思い、上を仰ぎ見るとそこには中身のない紅いフード付きローブの巨人がいた。
何時の間に!?と思っていたが、取り敢えずこいつがGM(ゲームマスター)だろうということはおおむね理解できた。
しかしローブだけで中が何もないその存在は、胸の不安感を煽るようにしか思えなかった。そして、
その巨人はおもむろに声を発した。
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』と。
この時に俺は悟った。もう普通の日常に戻ることは叶わない、と。
そして、その宣言によって後に語り継がれるであろう最悪で最凶なゲーム、
『ソー
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