第十一幕その五
[8]前話 [2]次話
「シロップをたっぷりとかけたな」
「それをですか」
「食いたいのう」
「王様はパンケーキはそうですね」
「そうじゃ、たっぷりとな」
それこそというのです。
「シロップをかけてな」
「そうしてですね」
「うんと甘くして食べる」
「そうされますね」
「そしてじゃ」
そのうえでというのです。
「甘い紅茶も飲もう」
「そちらもですね」
「レモンティーをな」
紅茶はそちらだというのです。
「こちらもうんと甘くして」
「甘いものに甘いもの」
「これが最高じゃ」
こう言うのでした。
「だからな」
「そちらをですね」
「今から楽しもう」
「では僕は」
王子はこう言いました。
「今日はパンケーキにはチョコレートをかけて」
「チョコレートか」
「そしてコーヒーにします」
飲みものはそちらだというのです。
「アメリカンで」
「その組み合わせでか」
「楽しませてもらいます」
「そちらもよいのう、しかしわしは決めた」
「パンケーキにはシロップをたっぷりとかけて」
「そしてレモンティーを飲むとな」
その様にというのです。
「決めた、だからな」
「それで、ですか」
「わしは今回はそれでいく」
そうすると決めたからだというのです。
「そして今度パンケーキを食べる時にな」
「チョコレートとアメリカンですか」
「その組み合わせにしよう」
「そうされますか」
「些細なことであるが今はそうすると決めてそうすべき時であろう」
「シェフの人もそう用意してくれますしね」
「ならそうする、だが変えねばならん時はな」
そうした時はといいますと。
「しっかりとじゃ」
「変えますね」
「そうする」
そうすると言うのでした。
「決めてもな」
「それが大事に至るなら」
「ワンマンで一度決めたら変えぬのではな」
それではというのです。
「大変なことにもなるわ」
「取り返しのつかないことに」
「だから人の話も聞くし」
それにというのです。
「決めたことでもな」
「変えなければいけない時はですね」
「変える、それも王としての務めじゃ」
「はい、そして僕もですね」
王子も応えて言います。
「この国の政治を預かっているので」
「わしと共にな」
「人の話はしっかり聞いて」
「ワンマンにならずにな」
「そして決めたことも」
「変える」
「そうして取り返しのつかないことをしない」
絶対にというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ