第十一幕その二
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「僕もね」
「その気持ちわかるわ」
王女は歌とダンスを続ける王様を見つつ王子に応えました、見ればそのダンスはとても軽快なラップダンスです。
「こうした人だからね」
「そうだね、色々やんちゃもするけれど」
「そのやんちゃもなのね」
「愛嬌があってね」
それでというのです。
「見ていて楽しいからね」
「僕も王様好きだよ」
ボタンも言ってきました。
「王様はね」
「貴方もなのね」
「だって見ていて楽しいから」
それでというのです。
「凄くね」
「好きなのね」
「うん、ただ僕は寝たら」
「何処にいくかわからないからよね」
「王様といつも一緒にいられないんだ」
そうだというのです。
「これがね」
「起きて今いる場所にいることもあれば」
「別の場所にいる時もあるから」
それでというのです。
「どうしてもね」
「そのことはよね」
「難しいよ」
どうにもというのです。
「そうした体質だから」
「考えてみれば不思議なことこの上ないよ」
モジャボロも思うことでした。
「ボタンが寝ている間に何処に行くかわからないことはね」
「うん、これもお伽の国だからだけれど」
王子が応えます。
「思えばね」
「不思議なことだね」
「どうしてそうなるか」
「僕もわからないよ」
「誰にもね」
「大体は元の場所にいるけれど」
弟さんも言います。
「不意に朝起きたらなんだよね」
「別の場所にいるからね」
「本当に不思議だよ」
「全く以てね」
「魔法なのかな」
教授も首を傾げさせています。
「これは」
「教授は調べたことがあるのかな」
「実は何度もあるのだよ」
教授は弟さんに真面目なお顔で答えました。
「何故彼がいつも移動しているか」
「そのことについてだね」
「本当にね」
実際にというのです。
「私も興味を抱いて」
「学問としてだね」
「何度も真剣に調べたよ」
「そうしたんだね」
「ボタン本人が大学に来た時もあってね」
王立大学にです、尚王立大学は今ではオズの国に幾つもあって他にもそれぞれの国の国立大学も私立大学も沢山あります。
「それで彼の身体検査をしてね」
「調べたんだ」
「レントゲンも撮ったよ」
そうもしたというのです。
「身体に魔法がかかっているかもね」
「そのこともなんだ」
「調べたよ、けれど」
それでもというのです。
「結局だよ」
「わからなかったんだ」
「もう何もね」
それこそというのです。
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