第五百話 勝利ービクトリーーその六
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「彼はそういうことで」
「一緒に戦っていって」
「観ていればいいね」
「はい、疲れたら動けなくなりますから」
そうなるからだというのだ。
「引き摺っていきます」
「その時になのね」
「そうしますので」
「いつも通りに」
「それでも口は動いてますけれど」
梅雨はレイティアに笑って話した。
「そうしますから」
「だからなのね」
「安心して下さい」
勝己についてもというのだ。
「そうしますから」
「それならね」
「ふん、俺は戦うだけだ」
その当人は相変わらずだった。
「とことんまでやってやるぜ」
「じゃあそこに茂夫君来てもらってですね」
ここでレオがとんでもないことを提案した。
「もう勝己君も巻き込んで全力攻撃をお願いしましょう」
「おい、動けない時にそれやったら洒落になってないだろ」
さしもの勝己もそれは抗議した。
「下手したら死ぬだろ」
「若しくはシャカさんに必殺技を出してもらうとか」
「安心するのだ、私は躊躇しない」
そのシャカが平然と出て来た。
「戦いに犠牲は付きものだからな」
「だからですね」
「千の敵を倒すのに一の犠牲は時として必要だ」
これがシャカの言葉であった。
「ましてや私は黄金聖闘士だ」
「はい、黄金聖闘士の方が出られたら」
「多少の犠牲は止むを得ないとだ」
その様にというのだ。
「教皇が判断された時だからな」
「それ故にですね」
「犠牲は躊躇しない、まして死んでも復活するのならな」
それならばというのだ。
「尚更だ」
「はい、その時はお願いします」
「そもそも命は必ず終わるもの」
レオの笑っている言葉にさらに言うのだった。
「死ぬことも運命、悲しむこともない」
「尚シャカは十二人の黄金聖闘士で最も犠牲を躊躇しない」
他ならぬ教皇であるシオンの言葉だ、今彼は後方にいるがそこからテレパシーで直接頭の中に語りかけている。
「全くな」
「それで俺もか」
「それが嫌ならだ」
教皇も勝己に話した。
「君もその時はだ」
「大人しく下がれっていうんだな」
「他の者は警告は出す」
自分が必殺技、仲間に影響が及ぶ様なそれを出す時はというのだ。
「しかしシャカは違う」
「教皇のあんたの言葉でもかよ」
「そうだ、誰よりも犠牲を躊躇しないからな」
そうした者だからだというのだ。
「巻き込まれなくないとだ」
「下がれっていうんだな」
「そうすることだ」
「ちっ、流石に俺も味方にやられたくないしな」
「それならだな」
「下がるな」
そうすると言うのだった。
「俺もな」
「そうしてくれると有り難い」
「安心するのだ、復活する」
シャカはまた平然として言った。
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