第四話 インノケンティウス十世像その一
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話してきたのだった。
「塾長の甥御さんと姪御さんもおられるんだよ」
「そうなのですか」
「そうなんだよ」
ここではあえて知らないふりをして応えた十字だった。その方が警備員とのやり取りがスムーズに進むと判断したからだ。知っているとそこから警備員は知っている相手にはと思い多くのことを話さないと判断したからだ。
その判断のうえで警備員に応えた。そうしてだった。
十字はだ。その何も知らないふりで警備員に述べたのである。
「この塾にも通っておられるね」
「姪御さんもですか」
「いや、甥御さん。清原一郎先生もね」
警備員は十字が知らないと見てだ。彼の名前を自分から出した。
「あの方もなんだ」
「先生もということは」
「そう、塾の講師としてね」
その立場でだ。この塾に在籍しているというのだ。
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