暁 〜小説投稿サイト〜
展覧会の絵
第四話 インノケンティウス十世像その一
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
話してきたのだった。
「塾長の甥御さんと姪御さんもおられるんだよ」
「そうなのですか」
「そうなんだよ」
 ここではあえて知らないふりをして応えた十字だった。その方が警備員とのやり取りがスムーズに進むと判断したからだ。知っているとそこから警備員は知っている相手にはと思い多くのことを話さないと判断したからだ。 
 その判断のうえで警備員に応えた。そうしてだった。
 十字はだ。その何も知らないふりで警備員に述べたのである。
「この塾にも通っておられるね」
「姪御さんもですか」
「いや、甥御さん。清原一郎先生もね」 
 警備員は十字が知らないと見てだ。彼の名前を自分から出した。
「あの方もなんだ」
「先生もということは」
「そう、塾の講師としてね」
 その立場でだ。この塾に在籍しているというのだ。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ