第二章
[8]前話
「そういうことなんだよ」
「わかったわ、じゃあ今夜も」
「いいのな」
「それではね」
由梨は夫の言葉に笑顔で頷いた、そしてこの夜もであった。
その次の日早苗にスマートフォンで夫が毎晩求める理由をそのまま話した、すると彼女はこう言った。
「ああ、好みね」
「主人のね」
「それでだったのね」
「そうみたいなの」
「何かって思ったら」
早苗はスマートフォンの向こうで言った。
「そうした理由だったのね」
「これがね」
「よくわかったわ、ただね」
「ただ?」
「スタイルも人それぞれ好みがあるのね」
早苗はしみじみとした口調で言った。
「痩せているのが好きな人もいれば」
「主人みたいに太ってる方が好きな人もいるのね」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「今夜もね」
由梨は自分から言った。
「多分だけれど」
「旦那さん求めて来るのね」
「そうなるわ、だからね」
それでとだ、由梨は笑顔で話した。
「若しかしたら子供もね」
「授かるかも知れないのね」
「近いうちに。そうなったら」
その時はというのだ。
「嬉しいわ」
「そうね、あんた達子供欲しがってるしね」
「主人がそれが好きならね」
「いいことね」
「ええ、じゃあ今夜もね」
こう言うのだった、そして実際に小五郎はこの夜も由梨を求め彼女も応じて。
一年後男の子を産んだ、由梨はこの時太るのもいいと思った。
太ったからこそいい 完
2022・6・17
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