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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
第百二十二話 闇、近付くのことその六
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 それでだ。こう彼女に言うのだった。
「御前が命を捨てる必要はないのだ」
「ではどうすれば」
「戦いはいい」
 それはいいと述べる守矢だった。
「しかし命は捨てるな」
「刹那に対しても」
「あの者は確かに危険だ」
 刹那の恐ろしさは守矢もよくわかっていた。しかしだった。
 その彼のことを思い詰めてまでいる月にはだ。あくまで言うのだった。
「だが御前が死なずに封じることは可能なのだ」
「そうであればいいのですが」
「では行くぞ」
 彼もまた闇を見た。その長江がある闇をだ。
「敵を迎え撃つ」
「はい、わかりました」
 そのこと自体には頷けた月だった。そうしてだ。
 敵を待つ。そしてその敵達は。
 司馬尉は今船の上にいた。その甲板からだ。敵陣を見ていた。
 彼等から見て敵陣、連合軍の陣地には無数のかがり火がある。その火達を見てだ。
 彼女はだ。酷薄な笑みを浮かべてこう言うのだった。
「あの火達こそはね」
「はい、命の火ですね」
「あの場にいる者達の」
「そうよ。その通りよ」
 まさにそうだとだ。司馬尉は妹達、自身の後ろにいる司馬師と司馬昭に述べたのである。
「皆殺しにするわ」
「そうですね。百万の大軍をですね」
「一人残らず」
「焼き尽くし。その中で」
 さらにだというのだ。
「苦しみ抜かせてあげるわ
「どうせ殺すのならですね」
「残忍に」
「その通りよ。焼かれる苦しみを教えてやるわ」
 まさにそうだというのだ。それが司馬尉の望みだった。
 そして彼女は己の望みをだ。闇の水の中でさらに話していった。
「そしてその苦しみと絶望を糧として」
「はい、それでは」
「さらに」
「この国にあらゆる渾沌を呼んで私達の理想の国にするわ」
 彼女の究極の願いを述べるのだった。その願いを聞いてだ。
 妹達だけでなくだ。左慈も出て来て言うのだった。
「いい考えだな。それではだ」
「そうよ。貴方達の理想でもあるね」
「混沌の世界を生み出そう」
 冷酷な笑みを浮かべてだ。左慈は司馬尉に話すのだった。
「まずは百万の糧、そこからだな」
「そうして厄介な奴等も一緒に消して」
 そうした意味もあった。この戦いはだ。
 そのことも述べながらだ。司馬尉は左慈に話していく。
「そうしてね」
「俺と于吉の行動は正解だったな」
「そう思うわ。九尾の狐達の力を受け継ぐ私達と手を組み」
「この世界にオロチ達を結びつけてな」
「いいことよ。私のこの血もね」
「破壊と渾沌を欲する血だからな」
「九尾の狐の血は魔性の血よ」
 司馬尉の笑みは闇の笑みだった。深い闇の中で見せるそれはだった。
 闇よりも暗くそして陰惨でだ。そうしたものを見せながらだった。
 司馬尉はだ。こう左慈に述べた。
「この世
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