Lv69 イシュマリア魔導院
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すればいい?」
俺はそこで意外なお願いをする事にした。
「では奴にもう一度、メラミをお見舞いしてやってもらえますか?」
「えっ? 貴方今、魔法は厳禁だって言ったじゃない」
「奴にはもっと喜んでいてもらいましょう。その隙に始末しますので」
「ああ、そういう事ね。わかったわ。じゃあ行くわよ、メラミ!」
悪魔の壺にメラミの炎が襲い掛かる。
だが、先程と同じく、炎は壺に吸収されてしまった。
悪魔の壺は【キャキャキャ】と笑い声を上げながら、更にハイテンションになって飛び上がっていた。
俺はその隙に奴に接近し、魔光の剣を袈裟に振るった。
だが、奴はピョンと飛んでそれを躱す。その動きはまさに、ゲーム同様の回避能力であった。
俺は更に踏み込み、今度は横に薙いだ。しかし、奴はそれも垂直に飛び上がって躱した。
だがこれも想定の範囲内であった。次がトドメの一手だからである。
俺はそこで柄を握る手を逆手に持ち替え、あの剣技を奴に繰り出したのであった。
(跳ねるかいそこで……捉えたぞ。燕返しィィィ!)
奴が万有引力の法則にしたがい床に降りてくる瞬間を狙い、俺は逆袈裟に一気に斬りあげた。
その刹那、悪魔の壺に光の刃が一閃する。
そして奴は真っ二つになって、断末魔の悲鳴を上げたのであった。
【ギャァァァァァ】
壺は床に落ちると共に割れ、その中にあった黒い何かが霧散していった。
するとその直後、チャリンという音と共に、金色の小さい何かがそこに落ちてきたのである。
見たところ、コインのようなモノであった。
俺はそこで魔光の剣を仕舞い、コインを拾った。
(なんだこの小さいコインは……妙なオッサンの顔が彫られてるし……お金か? いや、でもこの国の貨幣ではないな。なんだろ……もしかして、小さなメダルというやつか? つか、この世界にそんなシステムあんのかよ……)
ふとそんな事を考えていると、シャールさんの声が聞こえてきた。
「貴方……なかなかやるわね。あの素早い魔物を簡単に仕留めるなんて」
「いや、そうでもないですよ。ヒヤヒヤモノでしたから。シャール様が奴に隙を作ってくれたので、簡単に行けただけですよ」
「ヒヤヒヤねぇ……そういえば貴方、死の魔法がどうのとか言ってたわね。それの事?」
「ええ、まぁ……」
するとシャールさんは腕を組み、不敵に微笑んだのであった。
「ウフフフフ……まだまだ貴方には訊かなきゃいけない事がありそうね」
「そ、そうすかね。ところで、さっき地下牢で壺を見つけたと言いましたけど、どういう事ですか? 我々がいた時にはあんな壺ありませんでしたけど……」
「それがね……牢番の者が言うには、床に『アホが見る』と書かれたところに置かれていたそうよ」
俺はそれを聞き、魔物達へ悪戯(
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