Lv69 イシュマリア魔導院
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です。最初の段階から関わっておきたかったわ」
「お、面白そうな事……ですか?」
するとシャールさんは、俺に鋭い視線を投げかけてきた。
そして俺を指さし、やや怒り気味に口を開いたのであった。
「そうよ! こんなに面白い事に私が関われなかったのは、ハッキリ言って不服以外の何物でもありませんわ!」
「そ、そう言われてましも……」
「国が魔物に襲われたという事より、貴重な古代の遺物や魔法に、貴方とアレサンドラ家の小娘とヴァロム様だけが触れられたことが、ただただ残念でなりませんわよ。なぜ私がその場にいなかったのか……ハァ……」
この人、ちょっとヤバいかもしれない。
古代魔法を研究していると聞いたが、その為には国難なんぞどうでもいいのだろう。
それはさておき、シャールさんは残念そうにしていたが、程なくしてケロッとした表情になった。
「ですが、ま、なってしまった事は仕方ないですわね。今からまだまだ古代の謎が垣間見れる機会はあるでしょうし、それに期待する事としましょう」
喜怒哀楽の激しい人なのかもしれない。
シャールさんは椅子に腰を下ろして足を組むと話を続けた。
「それはそうと……ヴァロム様も自分で蒔いた種とはいえ、大変ですわねぇ。城内のゴタゴタに加えて、イシュマリア魔導連盟でしたっけ? あんな妙な連中に崇拝されてたなんて、不思議な事もあるモノね。初めて聞きましたわよ、イシュマリア魔導連盟なんて……」
「イシュマリア魔導連盟? 王家に脅迫めいた抗議の書簡が届いたとかいうやつの事ですか?」
「ええ、そうよ。貴方、何か知ってるのかしら?」
以前、ミロンにラヴァナの案内頼んだ時、言っていた話の事だろう。
だがそれに関しては、恐らく、ヴァロムさんの自作自演な気がするので、そう問題はないに違いない。
つーわけで、俺はシャールさんに言った。
「それなら大丈夫だと思いますよ。あれはたぶん、ヴァロム様の自作自演だと思うので」
シャールさんは目を丸くしていた。
「え? どういう事? なんで自作自演する必要があるのかしら?」
「あれは書簡を出した事による結果を見ると、凡その見当は付きますよ。恐らく、今回の騒動を見越したヴァロム様は、兵士や騎士達を目的の場所に配置する為、ああいう書簡を出したんじゃないでしょうか。実際、あの書簡が出されたことにより、街は厳戒態勢になりましたしね。なので私は、イシュマリア魔導連盟という組織は存在しないと思っております」
「なるほど……確かに、そうね。貴方の言う通りだわ。街の要所に兵士は配置されてるし……ふぅん、そういうことね」
このシャールさんの様子を見る限り、ヴァロムさんは皆に話してないのだろう。
味方を欺いた方法なので、ヴァロムさんも言い出しづらいのかもしれない。
まぁそれはさておき
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