Lv69 イシュマリア魔導院
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かったことがございますので、暫く付き合ってもらいます。まずは、このあいだ見せていただいた空間に保管する魔法について教えて頂こうかしら」
有無を言わさぬ怖い雰囲気であった。
これはもう、答えるまで監禁されそうな展開である。
俺は観念する事にした。
「は、はひ……」
そして俺は彼女から質問攻めを受ける事となったのである。
シャールさんは、フォカールや中の道具類の事、それと魔法関連の事、ヴァロムさんとどういう経緯で師弟関係になったのか等々……今までの事を根掘り葉掘り訊いてきた。
異世界の人間というのは伏せてはおいたが、ヴァロムさんと出会った経緯がかなり特殊なので、そこは首を傾しげていた。まぁしょうがないところだろう。とはいえ、俺もいきなりの転移現象だったので、ヴァロムさんには詳細をある程度話したが、流石に現状を把握した今は迂闊なことは言えない。
まぁそんなわけで、アマツクニからの旅人が何者かに拉致され、ベルナ峡谷に捨て置いていったのかもしれない……という風に話しておいた。それでも半信半疑という感じだったが、これで納得してもらうしかないだろう。
「――というような事があったんですよ。まぁそういうわけで、私はヴァロムさんに拾われて今に至るわけです」
シャールさんは足を組んだまま顎に手を当て、思案顔になった。
「へぇ……まぁ大体の経緯はわかりました。ですが、妙ですね……拾われたという部分はともかく、洗礼の儀式でデインを得たという事が引っかかります。ヴァロム様が慎重になるのも無理有りませんわね。私が知る限り、イシュマリア王家以外でこの魔法が扱えるのは、ラミナス王家くらいですから。ですが、現実問題、貴方が使えている事を見ると他にもいるのでしょうね。そういう風に考える事としましょう」
どうやらラミナス王家の者も使えるみたいだ。これは初耳である。
(ということは、サナちゃんも使えるのだろうか? 以前聞いた使える魔法にデインは無かったと思うが、俺と同様に隠していた可能性はあるから何とも言えん。……まぁいい、今度訊いてみよう)
俺がそんな事を考えていると、シャールさんは椅子から立ち上がった。
「しかし……ヴァロム様も老いたりとはいえ、色々と暗躍してますわね。私に何の説明もなくそういう事をしていたのが残念ですわ。私って信用無いのかしら……」
シャールさんは目尻を下げ、不満そうに溜息を吐いた。
一応、少しフォローしておこう。
「そんな事はないと思いますよ。恐らく、魔物達にバレないようにそうしていたのだと思いますから。魔物達は、この国の中枢にまで深く入り込んでいたので生半可な手段では事態を変えれないと、ヴァロム様は考えたのだと思います」
「そうかもしれませんが、こんな面白そうな事から私を除け者にするなんて……あぁ、残念
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