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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第114話:三槍士の戦い
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てハンスが頭を抱え大きくふら付いた。味方に続き今度は敵に起こった不調に、奏が困惑しているとガリィは奏を無視してハンスの元へ駆け寄った。
「ちょっとハンス! 大丈夫なの!?」
「気にするな……少し、疲れただけだ……」
「強がり言ってんじゃないわよ、ったく!」
ガリィは悪態を吐きながら、転移に使うテレポートジェムを取り出すとそれを地面に叩き付けハンスと共に姿を消した。
始まりと同じく、何が何だか分からぬ間に終わった戦いに奏は暫し周囲を警戒していたが、何事も起こらないのを見て肩から力を抜いた。
「ふぅ……一体何だったんだ?」
『さてな。どうやら向こうにも、戦いにおいて制約の様な物があるらしい。取り合えず、マリア君響君達と合流して戻ってきてくれ』
「あいよ〜」
奏はシンフォギアを解除すると、同じく変身を解除したガルドに肩を貸してマリア達が居る方へと向かっていく。
「すまない、カナデ。俺が不甲斐無いばかりに……」
「気にすんなって。仲間ってのは迷惑を掛け合うもんだろ?」
「ふふっ……そうか。そうかもな……」
話しながら歩き続け、マリア達へと近付いていく奏達。
その視線の先で、立ち上がったマリアが響にガングニールを返そうとすると、響はマリアの手からガングニールをひったくる様に手に取った。
「私のガングニールです! これは、誰かを助ける為に使う力! 私が貰った、私のガングニールなんです!!」
響らしからぬ必死さを感じさせる言葉に、誰も何も言えなくなる。響の中で、誰かを助ける為の筈の力を纏えず剰え、戦いの為に使われた事は許せなかったのだろう。
だが同時に、何も出来なかった自分への不甲斐無さも感じている筈だ。その証拠に、言ってしまった後になって自分の言動を思い返したのか、申し訳なさそうに、だがそれでもどこか納得していない様子でマリアに謝った。
奏はそれを見て、何と言うべきか迷い顔を俯かせた。何だかんだ言っても、やはり奏にはどうしても響を巻き込んでしまったと言う負い目がある。その負い目が、響に必要以上に強く出る事を控えさせていた。
それを察した訳ではないのだろうが、奏の代わりにマリアが響に厳しい言葉を投げかける。
「そうだ、ガングニールはお前の力だ。だから……目を背けるな!」
「目を……背けるな……」
マリアの言葉を繰り返し、マリアからは目を背ける響の姿に2人への申し訳なさを感じずにはいられない。マリアの言葉は、本来であれば巻き込んでしまった奏が響に言うべき言葉だ。戦いに巻き込んでしまった以上、奏には響を導く義務がある。
その義務をマリアに押し付けてしまった。その事に対し奏は申し訳なさを感じずにはいられないのだった。
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