暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第114話:三槍士の戦い
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まで出掛かった言葉を飲み込んだ。
「……悪い」
「気にすんな。それに今考えるべきことは、前の事じゃなくてこれからの事だ」
徐に颯人は机から足を退け、チェスの駒に手を伸ばした。キングを手に取り、それを手の中で弄ぶ。
「キャロルっつったっけ? アイツは絶対に倒す。目にもの見せねえと気が収まらねえ」
「ビーストとか言う魔法使いじゃなく?」
「あぁ」
颯人がキャロルに対してここまで敵愾心を向けるのには理由がある。彼女は颯人が許容できない言葉を口にしたのだ。
それはずばり、奇跡を殺す……と言う言葉だ。
「この俺、奇跡の手品師の息子である俺が居る事を知ってて、アイツは奇跡を殺すと宣いやがった。これは俺への宣戦布告だ、間違いねえ。だったらその勝負受けてやるよ」
勿論これは颯人の勝手な解釈だ。キャロル本人にそんなつもりは毛頭ないであろうことは百も承知。だがしかし、例えそうであったとしてもその言葉は颯人には受け入れ難いものであった。
故に今回、颯人は本腰を入れて事件解決に向けて動くつもりだ。今までと違い、今回は全力で自分を押し出し戦いに臨む。
その為には、響の不調も何とかせねばと言う思いがあった。
――理想的なのは、響ちゃんが戦いに対してただ相手を傷つけるだけって言うのとは違う思いを持ってくれることなんだけどな〜――
颯人が悩んでいると、唐突に室内に警報が鳴り響く。何かが起こった合図だ。颯人は奏と顔を見合わせると、即座に立ち上がり部屋を出て発令所へと向かう。
途中マリアにガルド、透とも合流し発令所への扉を潜ろうとした。瞬間、彼らが辿り着くよりも先に扉の方が勝手に開き中から慎二が飛び出してきた。
「おっとと! 緒川さんどうした?」
「敵の襲撃です! 響さんが襲われています!」
「何!?」
慌てて発令所に入りモニターを見ると、そこでは響と未来、そして友人達が複数のアルカノイズに囲まれている。その近くには青いオートスコアラー・ガリィの姿もあり、先日奏達に行ったのと同じシンフォギア装者への襲撃である事が伺えた。
それを見て奏・マリア・ガルドの3人が踵を返し慎二と共に響の救援に向かおうとした。透もそれに続こうとするが、それは颯人により止められる。
「ちょい待ち、透」
「!」
「俺達はここで待機だ。戦える人数が少ない今、一か所に全戦力を割くのは得策じゃない。だろ?」
「あぁ、颯人君の言う通りだ。どういう訳か今、響君は歌う事が出来ずシンフォギアを纏えない。この状況で本部の戦力を空にする訳にはいかないからな」
響が戦えなくなっているとは颯人も初耳だったので、目を見開いてもう一度モニターを見る。すると確かに、響はギアペンダントを手に持ってはいるがシンフォギアを纏う
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