第六百六十一話 朝に思うことその一
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朝に思うこと
天本破天荒博士はこの時自身の研究室の中のリビングのテーブルに座っていた、そうして朝食を食べていた。
メニューはトーストにソーセージにハム、目玉焼きにサラダにヨーグルトとフルーツの盛り合わせであった。
そこにシャンパンを飲みつつ博士は助手の野上君に話した。
「朝から飲むこともな」
「あの、朝から飲むのはです」
野上君はその博士にどうかという顔で応えた。
「あまりです」
「よくないのう」
「連合では」
「今日は完全なオフじゃ」
それでとだ、博士はシャンパンを飲みつつ言った。
「だからな」
「朝からですか」
「飲んでおるのじゃ」
「そうですか」
「たまにはな」
今度はサラダを食べて言った、レタスにセロリにトマトにラディッシュがある。かけているドレッシングはフレンチである。
「こうしてじゃ」
「朝からですか」
「飲んでじゃ」
「オフを過ごされますか」
「朝昼版と飲み」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「楽しまれますか」
「そうじゃ、こうして朝食を食べてな」
「シャンパンですか」
「それを楽しむ、ただな」
「どうしました?」
「野上君、バターとチーズがないぞ」
博士は野上君に話した。
「持って来てくれるか」
「すいません、忘れていました」
野上君も言われて気付いた。
「すぐに持ってきます」
「トーストにはバターじゃ」
「今日はそちらですね」
「うむ、そしてじゃ」
博士はさらに話した。
「チーズはカマンベールじゃ」
「そちらですか」
「今朝はな」
「じゃあそちらを出しますね」
「頼むぞ。ウォッシュチーズも考えたが」
「あのチーズもですか」
「あのチーズは随分と匂いが独特だからな」
それでというのだ。
「今朝は爽やかに飲みたいのでな」
「匂いのきついチーズはですね」
「避けてな」
そうしてというのだ。
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