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絶撃の浜風
外伝 大和編 01 大和の苦悩
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(2021年10月3日 執筆)




















 その昔、第T世代の艦娘がこの地上に現れた頃・・・人と・・・いや、提督と艦娘との関係は、とても暖かく良好なものだった


そしてその提督達の多くは、民間人から立ち上がった普通の人々だった


 そして人に代わって深海棲艦と戦ってくれる艦娘に対し、彼らはごく普通に協力を申し出て、そして提督となった。提督達は艦娘に対し、親愛と、尊敬と、感謝と・・・そして幾ばくかの申し訳なさをその胸に抱いていた


だからというわけではないが、提督達は艦娘を慈しみとても大切にした


 それが、結果として深海棲艦との戦争が膠着する要因となっていたとしても、それが原因で深海棲艦の脅威から人々を解放しきれない事になってしまったとしても、提督達は、決して艦娘達に無理はさせなかった。艦娘たちの犠牲を基に、自分たちの平和を勝ち取ろうなどとは夢にも思わない・・・・そんな甘ちゃんな提督達であった


 そんな提督達の想いに、艦娘達もよく応えていた。確かに、素人提督達の采配は拙いものではあったが、軍艦時代には知らなかった提督との絆という名の果実の味・・・・それを知ってしまった彼女たちは、彼らとの共闘関係を素直に喜び歓迎していた。そして互いが互いを思いやり、信頼関係を育んでいった







提督との良好な関係を築き、信頼関係を育む艦娘達

 だが、それに反し戦況はあまり芳しくなかった。素人提督の稚拙な采配に加え、艦娘達のクローン体がまだいない、艦娘の建造がまだ成されていない時代だった事もあり、艦娘の絶対数の不足により、戦況は常に劣勢を強いられていた


 そこで赤城たち艦娘側から、提督権限の強化の提案がなされた


 元より、艦娘たちは軍艦・・・兵器である。人の為の戦いに殉じ、散ってゆくのもまた定めであると彼女たちは割り切っていた

 そうでなくとも、この民間人提督達は、彼女たちにとってはその身を捧げるに相応しい・・・それだけの甲斐はある存在だった。彼らの為にその身を散らす事は、やぶさかではなかった


 艦娘と、提督との間に築かれた信頼関係・・・・それがあってこそ、初めて成り立つ提案であった


 はじめはこの提案に難色を示していた提督達であったが、赤城の熱心な説得により、最終的にはこれを了承した 

 提督達にしてみれば、これは有事立法のようなもので、あくまで暫定的な措置として認識していた。戦争終結後に艦娘と結んだこの約定を廃棄し、彼女たちを解放するつもりだった。それが彼女たち艦娘に対する彼らなりのけじめであり、同時に感謝の表れでもあった



 だが、提督達は軍人達によって新たに創設され
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