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レーヴァティン
第二百五十一話 蝦夷統一を前にその十一

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「明快なのだ」
「読めばわかる」
「まさにそれだけで」
「そうしたものですね」
「専門用語や読みにあたって知識が必要な場合があるが」 
 経済等専門分野の本がそうである、また小林秀雄の文章は読むにあたってそれなりの教養が備わっていないと読んでも理解出来ない。
「それでもわからないのはな」
「何を言っているのかわからない」
「そんなものはですね」
「まやかしだ」
 それに過ぎないというのだ。
「だから読んでも無駄だ」
「そうした書を読んでも何も得られず」
「別に読めたからと言って偉いでもない」
「そうなのですね」
「そうした書を読んでだ」
 何を言っているかわからない文章をだ。
「理解しただの読解して自分は偉いだの思ってもだ」
「錯覚ですね」
「ただそう思うだけですね」
「それだけのことですね」
「それで実は何も得ていない」
 そうした書を読んでもだ。
「そしてこうした文章を書いたその者は偉いとな」
「やはり錯覚し」
「そのまま崇める」
「そうなってしまうのですね」
「そうだ、だが吉本隆明なぞだ」
 戦後日本最大の思想家と言われ思想界のゴッドファーザーとさえなっていたがだ。
「何もない、愚か者に過ぎない」
「そう言われていましたね、先程」
「十二人の方々に」
「そうでしたね」
「私利私欲のみで色と金を求め人を平気で殺める輩がだ」
 そのカルト教団の教祖に他ならない。
「偉大か。浄土に近いか」
「それはないですね」
「断じて」
「どう考えましても」
「聞いていましても」
「考えるまでもない」 
 英雄は吐き捨てる様に言った。
「浄土に近い者\が人を殺めるか」
「一切しません」
「その様なことは」
「する筈がありません」
「贅沢を求め」
 さらに言った。
「美食を楽しみ美女を多く傍に置き金を求めるか」
「それも言うまでもないです」
「論外です」
「子供でもわかることです」
「仏門を知っておらずともだ」
 それでもというのだ。
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