第二十四話 あえて聞いたその十三
[8]前話 [2]次話
「本当によ」
「しないことね」
「自分がされて嫌だし」
「私の場合学校で大変なことになるし」
「それに付き合うと同じでしょ」
「人間だからね」
自分と同じそれだというのだ。
「異次元から来た訳でもないし」
「それだとわかるでしょ」
「皆日本語喋れるしね」
このこともあってというのだ。
「それでね」
「わかるわね」
「お互いね」
「だったらよ」
それならというのだ。
「もうね」
「差別なんてね」
「しないことね」
「何か八条学園にいたらね」
かな恵は考える顔で話した。
「自然とね」
「民族とか宗教とか人種の差別はしなくなるわね」
「同じ人間だってわかるから」
「あまりにも色々な人がいてでしょ」
「それで仲良くやれるわ、そのこともね」
かな恵はまた母にこう言った。
「幸せよ」
「差別をしなくて済むことも」
「それで差別が無意味ってわかることもね」
「そう言うのね」
「それにあの学校いるの人間だけじゃないわね」
「動物園や水族館もあるわね」
「いや、妖怪いるから」
かな恵が言うのはこちらの存在のことだった。
「あと幽霊もね」
「あの学校そうしたお話も多いわ」
「幼稚園から大学、それにその動物園や水族館でもね」
外には植物園や博物館に図書館、鉄道博物館等がある。そうした場所も全て学園の中に存在しているのだ。
「そうしたお話あるわね」
「ええ、あちこちにね」
「妖怪も多いのに」
「人間の違いはでしょ」
「ましてその妖怪も悪いことしないのに」
話は多いがそうした妖怪はいないのだ。
「人間がどうとかね」
「言わないわね」
「幽霊もね、それで幽霊って」
かな恵は今度はこちらの存在のことを話した。
「怨霊にもなるわね」
「なるわよ、怨霊は怖いわよ」
「誰だってなるわね」
「日本はそうしたお話も多いでしょ」
「そうよね」
「京都なんか多いわよ」
長い歴史を持つこの街はというのだ。
「それこそね」
「そうよね、幽霊って魂だから」
それに他ならない、幽霊とは人間の魂そのものなのだ。
「身体があるかないかの違いよね」
「そうよ、身体が死んで魂だけになったら死霊よ」
「それになるのね」
「生きている人の身体から出ればね」
その場合はというと。
「生霊よ」
「どっちにしろ魂ね」
「それで誰でもよ、魂が恨みや憎しみに囚われたら」
「怨霊になるのね」
「そうよ、もうこうなったら普通の人間や妖怪よりもね」
「怖いのね」
「一番怖いのは人間とも言うけれど」
この言葉も出した。
「それは怨霊よ、どんな人種や民族や宗教でもよ」
「怨霊になるのね」
「人間ならね」
それならというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ