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絶撃の浜風
外伝 赤城編 05 佐世保沖海戦とティレニア海海戦(U)
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・・・・ふふっ」



彼女の緩い返答に、駆逐隊もようやく堅苦しい物言いから解放され、途端に話し方がぞんざいになる



「やれやれ、こんなのに総旗艦やらせて本当に大丈夫なの?」



 返事も返さず、不快な表情を浮かべながら、ただウスティカ島の方をじっと見つめる総旗艦に対し、グレカーレは毒づく



「大丈夫ですよ。総旗艦様の【二つ名】を忘れたの? こういう日の為に、ナポリ統連合軍司令部はこの子を囲い込んでいるのですから・・・・・それよりも・・・・」



彼女・・・・アクィラの表情が一瞬、厳しくなる



「わかってる・・・・・今日見た事は、何も知らない、あたしは何も見てないし、出撃した事実もない・・・・・これでいい?」


「ええ・・・それでいいです。浮きドックを手配してありますから、上陸はナポリ港湾局の指示に従って、そこからお願いしますね?」


「了解! 帰ったらもう寝るわ・・・・リベ! シロ! 行くよ!」


「リベ、ゲーセン行きた〜い!」


「ダメよ! 今夜は目立たないようにしなきゃ! シロもいい!?・・・・・シロッ!」




「・・・ふゎあ〜はぁ〜 あ?、は〜い・・・聞いてまーす・・・・」



「・・・・絶対寝てたでしょ、アンタ・・・」



「・・・あ?、は〜い・・・聞いてま〜す・・・・」




「・・・・・まぁいいわ・・・それでは、第10駆逐艦戦隊、帰投します!」



「アクィラァ、Chao Chao!」



「リベちゃん、Chao! グレちゃん、シロちゃん Buona notte!・・・おやすみなさ〜い」



「・・・あふ・・・・おやすみー・・・・あ、グレちゃんまってぇ〜」








 ナポリ港へ向かう最中、グレカーレはシロッコに纏わりつかれながら、漆黒の海の遥か遠くに浮かぶ、まるで宝石をちりばめたようなナポリの夜景と・・・・6年前のあの日に見た光景を・・・・無意識に重ねていた





 グレカーレたちには、任務の詳細は一切知らされていない・・・・。彼女たちが受けた命令は、ウスティカ島までの総旗艦の護衛と、当海域に三年も前から潜伏していた潜水ソ級三隻の撃沈・・・・ただそれだけであった・・・・・だが、



 先程はああ言ったが、総旗艦が戦場に姿を見せた時点で本作戦が単なる小競り合い程度で済むはずがない事は、グレカーレにもわかっていた・・・・・・・



 現在、ジブラルタルより東、地中海沿岸部全域に渡り、欧州連合による戒厳令が敷かれ、スペインやフランス、イタリアのサルデーニャ島にシチリア島、そして対岸の北アフリカの沿岸部には各国の物々しい数
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