外伝 赤城編 05 佐世保沖海戦とティレニア海海戦(U)
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(2021年11月1日 執筆)
イタリア半島北西部リグーリア州、そこには地中海で最も栄えた港町、ジェノヴァがある
ジェノヴァ港の西側に流れるボルチェヴェラ川を遡り、かつて60年前に崩落事故を起こしたモランディ橋のあったすぐ北側に、今は国営企業となったアンサルド社の兵器工場(旧アンサルド・エネルジア)がある
大戦中はザラ級の203mm/53連装砲やマエストラーレ級の50口径12p単装砲に90mm高射砲、ヴィットリオ・ヴェネト級のリットリオやローマ等軍艦の建造や偵察機SVA等の航空機、果ては某戦車アニメでお馴染みのCarro Veloce33戦車の製造に至るまで、兵器の開発・製造を幅広く手掛けていた事で知られている。英ヴィッカーズや独クルップ、日本の三菱等と並ぶ、所謂軍需産業に手を染め巨利を得ていた財閥である
だが、平時における軍事技術の民間への転用がうまくいかず、その経営は大きく揺らいだ。紆余曲折を経て皇紀2653年、フィンメッカニカ社に吸収されその傘下に入るも、系列会社が次々と外資や他国企業に切り売りされ、同社の存続は風前の灯火であった
そんなアンサルド社の転機となったのは、皇紀2673年に勃発した第一次深海棲艦戦争、そしてそれに伴う艦娘の出現であった
かつてのイタリア軍艦の化身である艦娘達の登場により、イタリアの巨人フィアット社を差し置き、彼女たちと最も馴染みの深い企業であるアンサルド社とオート・メラーラ社に白羽の矢が立てられた。結果、彼女たちの武装の改修をそれぞれ6:4の割合で担う事となり、縮小されていた兵器開発部門が息を吹き返した。加えて同社の創業者にしてエンジニアでもあったジョヴァンニ・アンサルドの直系の子孫であるジーノ・アンサルドという一人の天才的エンジニアの出現により、同社は大躍進を遂げ、皇紀2678年にレオナルド S.p.A社(旧フィンメッカニカ社)から独立、以後、艦娘の艤装・武装の改修や開発において、欧州を代表する企業へと返り咲いたのであった
だがそれもつかの間、皇紀2730年を境にアンサルド社に暗雲が立ち込める。イタリア政府からの受注が突然打ち切られ、更には無期限営業停止処分を受け、アンサルド社はあっさりと倒産した。盟主ジーノ・アンサルドは去り、同社はイタリア政府が接収し、国営企業として再生、そして現在に至る
そして・・・・・・時は皇紀2736年6月未明の深夜
闇に紛れ、ボルチェヴェラ川に二隻の艦娘と、一隻の補給艦が接岸していた
一方の艦娘にはその両太腿に大型のバルジパックが取り付けられ、そこに予備の砲弾が詰め込まれた。そして補給艦にも大量の砲
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