第四百九十九話 集結ーコンセントレーションーその十
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「もう人間でなくなっている」
「そうした意味なんですね」
「ドス黒い邪悪なものに全てが変わり果てた」
「そうした悪魔ですか」
「そういうことよ」
「そうした輩が最も忌まわしい」
福沢は前を見て語った。
「他の命を何とも思わないからな」
「そして自分の為にですね」
「どういったことでも行う」
福沢はファリアに答えた。
「残虐極まることでもな」
「してですね」
「何も思わない」
「まさに悪魔ですね」
「種族ではなく心がな」
「それこそ本物の化けものです」
小猫はこう語った。
「おぞましい」
「確かにおぞましいですね」
「スサノオが操った人達の中にもいましたが」
「壇さんのお父さんみたいな」
「あの人も同じです」
スペード王国を乗っ取りかつ自分達の思いのままに他者を犠牲にしつつ弱の限りを尽くす彼等と、というのだ。
「心はもうです」
「人間でなくなっていて」
「化けものになっていて」
「酷いことをしてきたんですね」
「神になったつもりで」
「強大な力を手に入れて」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「その実はです」
「スサノオに操られていたんですね」
「そうでした」
壇正宗にしてもというのだ。
「気付かないうちに」
「そして気付かないままですか」
「操られ滅びました」
「私も最初は気付かなかった」
壇は息子として語った、その手を組み難しい顔になっている。
「まさか父の後ろにもう一つの存在があってだ」
「それが神とはですか」
「思わなかった」
こうファリアに話した。
「全くな」
「その時には」
「だがスサノオの存在を知ってわかった」
「お父さんが操られていたことに」
「そして父の程度もわかった」
このこともというのだ。
「よくな」
「その程度だったとか?」
「その通りだ」
ジョウの質問に顔を向けて答えた。
「まさにな」
「そうだったんだね」
「父が考える神と私が考える神は違った」
「強大な力を手に入れてならないんだ」
「それに達したうえで偉業を行ってこそだ」
「神なんだ」
「そして操ろうという存在なぞだ」
それこそというのだ。
「気付いてだ」
「操られないんだね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「その程度のことにもな、そして神が挑んできているのならだ」
「その神様に勝つんだね」
「如何にも」
その通りという返事だった。
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