暁 〜小説投稿サイト〜
八条学園騒動記
第六百六十話 自由な社会の条件その十三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「そのことこそが」
「左様ですね」
「シヴァ家の歴史は千年」
 マウリアのマハラジャの家の一つである。
「開拓で貢献してです」
「それでマハラジャに列せられましたね」
「当時のマウリア主席に」
「それからですね」
「千年で長いと言われますが」
 それでもというのだ。
「日本の皇室の歴史と比べますと」
「何でもないですね」
「上には上がいますが」
「上であり過ぎますね」
「そして皇帝であられ」
 天皇はその立場であられるというのだ。
「王を任じることが出来ます」
「そこまでの存在ですね」
「ですからその格は比類なきものですが」
「それでもですね」
「あの質素さなのですから」
 それでというのだ。
「とてもです」
「及ばないとですね」
「思わざるを得ません、私は王女ですが」 
 その立場だがというのだ。
「皇女、日本では内親王ですね」
「そう呼ばれますね」
 ラメダスが答えた。
「日本では」
「その内親王の方々とはです」
「お嬢様はですか」
「下僕の様なものです」 
 そこまで違うというのだ。
「足下にも及びません」
「そうお考えですか」
「私は自分を偉いとはです」
「思えないですね」
「王は王でしかなく」
 そしてというのだ。
「我がシヴァ家は日本の皇室とはです」
「比べられもしない」
「そうした家なので」
 だからだというのだ。
「とてもです」
「偉いとはですか」
「思える筈がありません」
「そうですか」
「まして皇室の方々に傲慢さがあるか」
 日本のというのだ。
「果たして」
「いえ、それは」
「全く見られません」
「むしろ腰が低いです」
「誰に対しても」
 二人で答えた。
「あれだけの歴史と伝統をお持ちだというのに」
「そうであられるのに」
「高貴であられても」
 それでもというのだ。
「あそこまでの謙虚さ、是非です」
「お嬢様としてもですね」
「お手本にとお考えですね」
「そして実際にです」
「お手本とされていますね」
「左様ですね」
「そうしています、日本に来まして」 
 そして留学をしてというのだ。
「皇室のことも学び」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「王女として」
 シヴァ家のというのだ。
「学んで政庁していきます」
「それではです」
「私達も及ばずながら」
 ラメダスとベッキーは主に応えた。
「働かせて頂きます」
「そうさせて頂きます」
「宜しくお願いします」
 セーラは二人に静かに応えた、そうして今はウイスキーと軽い肴を楽しんだ。文化祭の打ち上げは酒と喧騒の中で終わった。


自由な社会の条件   完


                     2022・3・
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ