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レーヴァティン
第二百五十一話 蝦夷統一を前にその五

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「まさにな」
「今の時点が正しいとは限らないっちゃ」
「今言われていることが間違いだった」
「よくあるっちゃな」
「科学も日進月歩だ」
 他の学問と同じくというのだ。
「だからだ」
「それでっちゃな」
「俺は今の科学が万能とは思っていない」
「そうっちゃな」
「万能なものはこの世にあるか」
「そもそもっちゃな」
「そうだ、あるか」
「まあ神様位っちゃな」
 愛実はこう返した。
「一神教の」
「そうだな」
「こうした神様は万能っちゃ」
「全知全能だ」
「そうっちゃな」
「しかしだ、人間は所詮人間でだ」
「万能でないっちゃ」
 まさにとだ、英雄に返した。
「そして人間が生み出したものもっちゃな」
「同じだ、科学もな」
「人間が生み出したものっちゃ」
「万能の筈がない」
「そうっちゃな」
「そして完成されていないしだ」
 それにと言うのだった。
「完成されることもだ」
「ないっちゃな」
「そうしたものだ」
「そうたい、今の科学ではたい」
 香織も言ってきた。
「全部語れんとよ」
「そうだな」
「空想科学何とやらはたい」
「それがわかっていないな」
「今の科学で未来の技術を語ってもたい」
「何にもならない」
「間違っているとたい」
「言えない、未来は科学も遥かに進歩している」
 今即ち現代よりもというのだ、事実二次大戦の時と二十一世紀では比較すると科学は驚異的な発展を遂げている。
「まして一世紀先のな」
「技術を今語ってもたい」
「意味がない」
「そうたいな」
「一世紀の科学は今の科学を凌駕している」
「それも遥かにたいな」
「そうなっているからな」
 このことが間違いないからだというのだ。
「今の技術で語るなぞだ」
「無意味たい」
「それに心血を注いで文章を書くなぞ」
 そして本を出すことはというのだ。
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